カメラを難しいものにしたくない、という気持ちはどっかある。

Nikon F6, 50/1.4D

もともとこのブログはカメラのことを書こうと思って始めたんじゃなくて、「カメラを通して見る記憶の数々を記していこう」と書き始めたもの。だから、僕自身、カメラのことは詳しくないし、写真の腕もあるわけじゃない。そんな僕とこのブログではあるだけど、だんだんとじぶんの想像を超えてカメラに魅せられていく日々となり、近ごろはカメラのことについて書く機会が増えた。

それはなんとなく僕のようにカメラに詳しくない人でもカメラは気軽に楽しめるんだぞ、ということを伝えられる場になればなという思いがある。実際、カメラはプロの写真家も使う道具だから突き詰めていくと機能も所作も奥が深い。けれど、それを必要とするのはほんのひと握りの人であって、多くの人にとってはカメラの基本的機能さえわかれば実にシンプルでフランクに写真を撮ることができる。というか、いいカメラになればなるほどビギナーやアマチュアにやさしい大きな包容力がある。

例えばNikon F6は見た目も性能もゴツいけど、単に写真を撮るというこに関していえばほぼすべてがオートでシャッターボタンを押すだけで驚くほど満足のゆく写真が撮れる。フィルムカメラの原点であり35mmフィルムカメラの原点であるバルナック型ライカやM型ライカも、その撮影所作は驚くほどシンプルで、変な操作に惑わされず写真を撮ることにまっすぐ集中することができる。

近ごろのデジタルだって、M型デジタルのLeica M-P typ240は想像以上に機能も少なく、街中でサッとスナップを撮るのにも必要以上に躊躇することなく写真が撮れる。一見面倒に見えるクラシカルな二眼レフだって、撮ってみればその操作のステップが拍子抜けするくらいシンプルで、あ、もっとはやく出会っておけばよかった、みたいなフレンドリーさへの感動がある。そんな、実はカメラは僕らアマチュアの写真好きビギナーにも優しいんだということがブログを通して伝えられたらなと思うんだな。

しかもカメラはシチュエーションにも優しい。何も絶景やモデルさんを撮らなくても、撮る楽しみということでいえば、カメラさえ持ち歩いておけば辺り一面が被写体になる。僕にはこのカメラの一面も構えることなくとてもリラックスして向き合えて、心底カメラに出会えてよかったなと思っている。そうして日々を楽にユニークなものにしてくれたカメラたちだから、なかなか所有カメラをどれも手放せずにいる笑。けれど、たまにいつもと違うカメラを持ち出してこうしてブログにそのカメラのある暮らしの気分みたいなものを綴るのもまた僕自身の気分転換や癒しになる。そんなことを感じながら、コツコツとだけど難しくないカメラのブログを書いている。

デジタルな日々にフィルムを混ぜる最高。

Rolleiflex Standard, Leica IIIa

それにしても暑かった。暑すぎると人間は少し理性を失うというか、少し撮り歩いてきた笑。あ、現像はまだなんで作例はない、あしからず。僕が気分転換にこの酷暑の中でも持ち出すのは、やっぱりフィルム。そこはね、どこか涼しくなる気がするんだ、不思議だよね。

フィルムを始めて加速した僕のカメラ生活だけど、最近はデジタルで撮ることの方が多い。なかなかフィルムでスナップを撮る暇がないというか、現像ラボを行き来する余裕がなくて、でもデジタルでも全然平気じゃん!というのが、今の僕の気分。Leica M-P, Nikon Df, Fujifilm X-E2に加えて、最近Leica X2も手に入れたんで、デジタルなローテーションでけっこう日々を楽しめている。

Rolleiflex Standard, Fujichrome Velvia100

とはいえね、カメラ生活ばかりじゃなくて仕事の日々のほうもはっきり言ってデジタル漬けなんで、そこはね、やっぱり体が求めるんだよね、たまにフィルムのあの感触をね。ジーコジーコと手で何かを動かし何かを創り出すあの感触。フィルムカメラは雰囲気ある写真の風合いの良さだけじゃなくて、あの機材たちあっての世界なんだよね、やはり。

きょうは久しぶりにローライフレックス・スタンダードを持ち出したけど、まあお約束の失敗としてフィルムチャージを忘れて、また意図しない多重露光を撮ってしまったわけだけど、それも含めていいんだよね、フィルム機材の所作がね。露出計をかざすのも暑苦しかったからぜんぶ体感露出で12枚撮った。暑いんだけど、でもあの絵本の世界の中にいるようなファインダーの絵を見ると、何か心にすーっとそよ風が吹くような感覚があるんだ。ウエストレベルファインダーのあの感動的なひと時は、ぜひ一人でも多くの人に味わってほしい、ほんとうに。

Leica IIIa, Elmar 50/3.5

そしてローライフレックス・スタンダードを連れ出す時は、必ずサブ的にもう一台のカメラを持ち出すんだけど、きょうはこのバルナックLeica IIIa。残りフィルムが入っていたのもあるけど、とにかく軽く軽快だからね。スタンダードのお供としてはこのIIIaかRollei35がいい。ブローニーを12枚撮るとちょっと集中し過ぎるというかいい意味で少し疲れるから、その後に135フィルムでサクサク撮る感覚はまた気持ちいい。

僕のカメラ生活のペースというか型みたいなものが少し定まってきた気がしてるんだけど、基本はデジタル、そしてたまにフィルム。その割合はどうだろう、デジタル7:3フィルムくらいな感じかな。でも心の中の割合的にはデジタル5:5フィルムくらいの感覚があるから、やっぱりフィルムが満たしてくれる影響というのは偉大なんだなと改めて思う。で、これから愛犬の散歩にまたカメラを持ち出して行くんだけどね。我ながら物好きだなと思ったりしながら笑。

朝のファインダーの中は生命力に満ちている。

Nikon Df, Auto 50/1.4

連休2日目の朝は、Nikon DfにAuto Nikkor 50/1.4をつけて散歩カメラしてきた。Dfはいつものおなじみのボディだけど、Auto 50/1.4は久しぶりかな。いつもはNikon F2につけていることが多いオールドニッコールだ。

Nikon Df, Auto 50/1.4
Nikon Df, Auto 50/1.4
Nikon Df, Auto 50/1.4

感度は400、陽射しがすでに強かったから少し絞ってf値は2〜2.8くらいで撮り始めた。それにしても朝のファインダーの中のまぶしさは素晴らしい。愛犬との散歩があるから早朝にカメラを持ち出しているのもあるけど、僕は朝のファインダーの中の世界が好きだ。理屈抜きに好きだ。

Nikon Df, Auto 50/1.4
Nikon Df, Auto 50/1.4
Nikon Df, Auto 50/1.4

朝の散歩道の木々や緑たちは、いかにも朝の呼吸を始めたエネルギーが充満している感じで、そこに太陽の光が降り注ぎ、光合成つまり酸素を大量に作り出し発散している感じがファインダー越しに伝わってくる。

Nikon Df, Auto 50/1.4
Nikon Df, Auto 50/1.4
Nikon Df, Auto 50/1.4

辺りに人が少ないのも、一眼レフでじっくりシューティングするにはいい。風の音とか、大地を踏み鳴らす音に混じって、少し硬質なシャッター音が空気を少し切り裂く感じもいい。できればもっと撮り続けたいところだけど、ジリジリと容赦なく照りつける陽射しに、早めに家に帰りつく。午前8時半、もう太陽は途轍もなくエネルギーを発散し始めた。さて、始動だ。

M-P typ240に外付けEVF、僕の想像以上に快適だった。

Leica M-P typ240, VF-2, Planar T*2/50ZM

三連休初日の朝、Leica X2用に手に入れた外付けEVFを初めてLeica M-Pに装着して散歩カメラへ出かけてみた。結論から言うと、僕の想像を超えてすっごくおもしろかった。

Leica M-P typ240, VF-2, Planar T*2/50ZM

何がおもしろかったんだろうと、ふと帰宅してブログを書きながら考えているわけだけど、ニュアンスでいえば「レンジファインダー機が一眼レフ機になったような感覚」かな。ふだんはレンジファインダーのとても明るくガラス素通しの世界を見てるんだけど、それがブラックアウトされた濃密なファインダー空間になる。そんな感じだ。

Leica M-P typ240, VF-2, Planar T*2/50ZM

レンジファインダーのあのファインダー体験も素晴らしいけど、このEVFをのぞく体験も実にワクワクした。実利的には、MFアシストでピントがあっている部分を赤く指し示してくれるから、すっかり老眼の僕にはありがたいのと笑、いわゆる撮れる絵がそのままファインダー内で確認できるのはRF機ではけっこう新鮮なこと。

Leica M-P typ240, VF-2, Planar T*2/50ZM

通常、レンジファインダーだと見える世界はあくまでガラス越しの景色であって、ボケ具合にしてもフレアの広がり方にしてもできあがりの写真の絵は想像するしかない。でもEVFだといわゆるできあがりの写真の絵が撮る時に確認できるから、このブログの写真たちのようにフレアを楽しんだ写真が撮れやすい。

Leica M-P typ240, VF-2, Planar T*2/50ZM

帰宅して写真を見ると、そういう光の取り込み方を楽しんだ写真が多かったから、知らず知らずのうちに僕はそこを楽しんでいたんだろうなと思った。レンジファインダーをそんな使い方するんであればミラーレスでいいんじゃないの?という声が聞こえてきそうだけど笑。

Leica M-P typ240, VF-2, Planar T*2/50ZM

まあそこは楽しみ方がひろがるということで、僕はレンジファインダー機に外付けEVFは全然アリだと思った。もともとコンデジLeica x2用に手に入れたEVF Olympus VF-2だから最初はM型デジタルで使う気はなかったんだけど、どうやらtyp240には使えるらしいと知って試してみたら、なるほどこれはアリだなと感じたので、ちょっと得した気分だ。

Leica M-P typ240, VF-2, Planar T*2/50ZM

今回連れ出したレンズは、Carl Zeiss Planar T*2/50ZM。いわゆる現代的コシナ製プラナーだけど、なかなか味わい深い描写をしてるれるレンズで僕のお気に入りのレンズのひとつだ。オールドレンズたちよりは現代的でクールな写りだけど、その透明感みたいなものはZMプラナー独特の世界。価格も手に入れやすいので、ぜひおすすめだ。

Leica M-P typ240, VF-2, Planar T*2/50ZM

もし外付けEVFの購入を迷われてる方がいれば、これは間違いなくアリだとお伝えしておきたい。ライカ純正のEVFはモノの出来以上にかなり高価だけど笑、中身は同じと言われるオリンパス製のこのVF-2なら1/3ほどの二万円ちょっとで新品を手に入れることができるのでおすすめだ。というわけで連休初日の朝はなかなか新鮮で気分のいいスタートとなった。やっぱりカメラは僕を幸福にしてくれる。

究極の一台というなら、Nikon Dfと標準ズーム43-86/3.5でどうだろう。

Nikon Df, 43-86/3.5

これはさすがにちょっと言い過ぎだけど笑。でも考えてみると、往年のデザインや所作が楽しめて、かつメンテナンスも安心な現行フルサイズ一眼レフで、そこにオールドニッコールが楽しめるんだったらMFの標準ズームを一本だけ持つというのは、究極の一台のお手本のような機材の組み合わせかもしれない。どうだろう。

Nikon Df, 43-86/3.5
Nikon Df, 43-86/3.5

ふだんDfにはAF単焦点をつけていることが多い。50/1.8Gとか50/1.4Dとか。やんちゃな愛犬との散歩の時でも片手で撮れるからね。でも、今日みたいに僕ひとりだけで撮り歩ける時なら断然MFのオールドレンズ がいい。しかも43-86/3.5が一本あれば、50/3.5と75/3.5の散歩用レンズ2本を持ち歩いてるのに値するからね。

Nikon Df, 43-86/3.5
Nikon Df, 43-86/3.5
Nikon Df, 43-86/3.5

43-86/3.5のことは過去にブログに書いてるんで興味のある人はそちらをのぞいてもらうとして、今日のところはその撮れ味みたいなことについて。ここにあげてる写真はほぼ絞り開放f3.5付近で撮っているんだけど、なかなかどうしてキリリとした描写でちょっと驚く。

Nikon Df, 43-86/3.5
Nikon Df, 43-86/3.5
Nikon Df, 43-86/3.5

これが40年以上前のレンズだというのがちょっと信じられないレベルというかね。でも考えてみると、f3.5のこういうしっかりとした描写で思い起こすのはライカのレンズElmar 50/3.5の写り。当時、Leica M3というとんでもないクオリティのカメラが発表されたことでレンジファインダーの開発を諦めて一眼レフへと移行したと言われる日本のカメラ産業だけど、カメラの技術競争でいえばあのライカとガチンコで戦っていたわけで、写りが悪いわけがない。それを思うと、この写りの良さはジャパンクオリティの結晶だとも言える。

Nikon Df, 43-86/3.5
Nikon Df, 43-86/3.5

さらに素晴らしいのは、これが国産初の標準ズームレンズであったこと。標準ズームだからなるべく低コストで軽量なものを多くのNikon一眼レフユーザーに提供したいと開発されたと言われ、当時もそれほど高価なレンズではなかったはず。そして、現在なら数千円でこのレンズを手に入れることができる。フィルムニコンで撮るも良し、そしてDfみたいにデジタルニコンで撮るも良し、一本持っておきたい“万能究極の一本”と言えるのではないだろうか。ひそかに僕のイチオシです。

Leica X2用の外付けEVFに、OLYMPUS VF-2を選んでみた。

Leica X2, 外付けEVF Olympus VF-2

Leica X2用の外付けEVFとして注文していたOlympus VF-2が、驚く速さでAnazonから届いた。土曜日の午前中に注文して休み明けの月曜日に届くのは凄いとしか言いようがない。ほんと便利な世の中になったもんだ。

ひとまず箱から出して装着してみた。デジタルライカ使いのひとにはおなじみかもしれないけど、ライカの製品にEVF2という外付けEVFが存在するんだけど、このオリンパス製(正確にはEPSON製かな)のEVFは中身は同じ製品といわれていて、実際にLeica X2やtyp240に使用することができる。購入したカメラ屋さんで聞いていたのと、Twitter上でも同じことをお聞きし、今回チョイスしてみた。

Leica X2, 外付けEVF Olympus VF-2

細かいスペックなどは他の詳細サイトなどをのぞいてもらうとして、僕はひとまず外付けEVFを装着しようと思った理由なんかを少し書いておきたいと思う。

Leica X2はバルナックライカよりさらに横幅が小さく、実に軽量でコンパクト。基本は背面の液晶モニターをファインダー代わりに撮影する、いわゆるRICOH GRなんかと同じ感覚のコンデジだ。ただし、ライカ社は前機種のX1からX2に進化する過程で、このEVFが装着できる仕様にバージョンアップされ、同時にライカ製EVFを登場させてきた。つまり、X2の開発者たちの「X2はできればEVFをつけて楽しんでね」というメッセージが見て取れる。

僕は、購入してしばらくは背面モニターで楽しんで、行く行くは光学ファインダーを装着しようと考えていたんだけど、ネットでいろいろX2のことを調べているうちに、この「外付けEVFと同時発売」を試みたLeica X2の楽しみ方みたいなものに触れ、最後はライカ公式のYouTube動画でEVFが実に自然体で使用されているのを見て、購入を決めた。

ただし、ライカ製のEVF2という製品は驚くほど高価。6万円ほどするなかなかの価格で、EVF単体にそこまでコストをかけるのはちょっとというのが正直なところ。そこで、このオリンパス製のVF-2の選択ということになる。いわゆるOEM製品で中身は基本的に同じながら、約1/3の価格で新品が手に入る。しかも、何がいいって地味なのがいい。ライカ製のものは前面に白抜きの「LEICA」のロゴがかなりの大きさで鎮座する。それと比べるとオリンパス製はロゴの大きさも色もとにかく控えめだ。価格も見た目でも僕のチョイスは迷わずオリンパス製だった。

とはいえ、X2のボディ前面にはライカロゴの赤バッジが鎮座してるんで、所有している全身真っ黒なLeica M-P typ240に比べると街中では少々目立ってしまう気がするんだけど、どうだろう。僕が気にしすぎだろうか。でも、この赤バッジをふさぐCloak for Leicaの購入もいま検討しているところ。スナップする分には、目立たないことは最上の性能だと思ってるから。

で、その外付けEVFの感触だけど、想像したより凄くいい。装着例を写真で見た時はちょっと端正なボディデザインを損なう形状かなと思ったりもしたんだけど、これが実物は実に軽くコンパクト。プロダクトデザインとしても悪くない、というかかなりいい。やっぱりプロダクトは実物を見て触れるべきだなあということを再認識した。ちょっとファインダーをのぞいてみたけど、これがまたなかなかクリアで良さげな印象。というわけで、装置した感触だけでいえばすごく撮る気をソソる外付けEVF。まずはしばらく、じっくり使い倒してみるとしよう。

重くはなるけど、typ240のこの大型の電池の持ちは驚異的。

Leica M-P typ240の電池充電キット

前にも一度書いたかな。でもこの電池の長持ち具合はほんと驚異的で、電池充電するたびにいつも感心してる。ライカはこういう実用的なところに手を抜かないイメージが、僕の中ではこの電池のありようで明確になったくらいだから。

写真の電池を見てもらえると分かると思うんだけど、Nikon Dfの電池なんかと比べても2倍近く厚みがある感覚。当然その分重さも感じるんだけど、これ一つあればまず控えの電池を持ち歩くような心配はいらない。実際、僕は大抵のカメラは予備の電池を購入しているけど、Leica M-P typ240に関してはこれ一つだけ。これで普段は一週間程度は充電せずに使っている。いや、もっと長いかな。とにかく驚異的な長持ち具合なんだ。

ライカというカメラはなんといってもスナップシューター。街中なんかで撮る場合でも、次々と俊敏に移動しながら撮るその動きの中では、できれば電池交換はしたくない。そういう不安やストレスからこのライカの電池は解放してくれる。少し重くなったとしても電池交換の不安を払拭することをチョイスしたライカには僕は賞賛を与えたい。

実際にデジカメは機械式フィルムカメラと比べると、この充電というプロセスがなかなか面倒だったりする。もちろんフィルムカメラはフィルム交換というプロセスがスナップ中に発生するけど、それはそもそもフィルムで撮る時はスピードも少しおだやかというか、僕はフィルム交換自体は癒しの時間だと思っていて、ほどよい休息時間に使っている。

でもデジタルはもっと俊敏だ。俊敏さを要求するというか、そのためのデジタルみたいに思っているところがある。Nikon Dfなんかはまったり撮ることが多いけど、Leicaに限ってはまったりだったとしても空気のようにサッと撮りたいところがある。そういう撮り手のささやかな望みみたいなものをライカはうまくすくい取ってくれている気がする。このtyp240の大きな電池と比べると、Leica X2の電池は小ぶりだけど、それでも数日間使って思うのは、やはり電池の持ちが良さげだということ。デジカメにとって実は電池は最重要性能のひとつ。カメラ本体の性能の進化もだけど、僕は電池の進化もちょっと注目していきたいと思っている。

霧雨の今夕は、部屋で空シャッターを愉しむ。

Leica M-P typ240, Leica M3

昨夜、北部九州に特別警報をもたらした大雨は、その後中国地方や関西でも猛威を振るっているというニュースがいくつも飛び込んでくる。自然は大抵大らかで優しいのだけど、時にこうして厳しい姿もみせる。どうかこれ以上荒れずに、おだやかな自然へと戻ることを祈る。

外はその大雨の影響が少し残る空で、わずかに霧雨が舞う。今夕の愛犬の散歩はカメラを持ち出すのを諦めて、足早に帰宅。こんな日は、自室で過去の写真を眺めたり、静かな部屋で空シャッターを切る。幸いLeica M3にはフィルムが入っていなかったから、あのなんとも言えないニュルリとしたダブルストロークのシャッター巻き上げ、チッとかすかに聴こえるシャッター音を愉しむ。

M3のシャッターフィールを愉しんだ後、その21世紀版のLeica M-P typ240も数回シャッターを切ってみる。M3のチッというかすかな音と比べると、キャッチャというような少し元気な音を奏でる。それでもM3と比べれば元気というだけで、街中ではほぼ周囲の音にかき消される程度の音。M3とM-Pは共にボディ前面にライカの赤バッジもないから、こうして見ても実に地味で良い。ただただ控えめな存在感であること。僕が街撮りはほぼライカを選ぶ理由だ。

カメラは写真を撮る道具だけど、外が雨の日にこうしてカメラを眺めたり触れたりするだけでも愉しめるのは、大人の趣味としてはかなりエモーショナルで素敵だ。冷やっとした金属の感触、その金属の角やアールの造り込みを指でなぞる心地よさ、照明に照らされて表情を変えるプロダクトデザインとしての美。どれをとってもまったく飽きることなく、外は雨でも極上の時間を過ごすことができる。僕はこのほかにもいくつかのブランドのカメラを持っているけど、雨の日に眺め、触れるカメラとしての最高な機種はといえばやはり、M型ライカということになる。

新しいことにチャレンジするのは気持ちいい。それはカメラやレンズも同じなんだろうね。

Leica M-P typ240, Industar-61 55/2.8

昨夜、Twitterに「コレクションするつもりはないのにカメラやレンズが増えていくのはなぜだろう」みたいなポストをしたら、カメラ好きの人たちが「気になったら欲しい!買いたい!と思う」とか「知りたい集めたい確かめたいってなるのは、男の子ならしょうがない!」といったニュアンスのTweetを返してくれて、みんな同じなんだと妙に安心したり笑、勇気みたいなものをもらったり。おもしろいよね、男は。

僕もほんとじぶんのことを呆れるくらいで、Leica M-P typ240を購入した時にはさすがにもうカメラやレンズは増やさない、いやカメラはもうライカ3台だけに絞り込もう、とか考えたんだけど、その後むしろカメラやレンズは増えていき、今はひとに台数を言うのもちょっと恥ずかしいくらいになってきた。

そのカメラやレンズが増えていく原因みたいなものはじぶんでもはっきりしないんだけど、あえて言葉にするなら「確かめたい」ということなんだと思う。まだじぶんが未体験なものを確かめたい気持ち。カメラなら一眼レフ、レンジファインダー、ミラーレス、二眼レフ、コンパクト…カメラを使えば使うほど未体験の世界をのぞいてみたい気持ち。レンズも、ボディとマウントアダプターのまだ見ぬ新しい組み合わせを試してみたいという気持ち。僕の場合は、カメラにハマっていったというより、この「確かめたい旅」みたいなものに出かけてしまったんじゃないかと思っている。

一眼レフから始まった旅は、僕の中で寄り道しながらもなんとなく必然であり運命のようなものも感じながらぐるぐると巡り、いまLeica X2を手に入れるに至った。RICOH GRもあるし、FUJIFILM X-E2もあるし、なんだったらM型デジタルもあるのに、なぜX2がいるのか。カメラに興味がない人からすれば同じようなデジカメがなぜ複数台いるのかっていう話だろうけど、確かめたかったんだな、X-E2のある夏カメラ生活みたいなものを。そして、またX2らしさを確かめたくてEVFを注文した。光学ファインダーとも背面モニターとも違う、EVFをのそいて撮る世界への確かめたい気持ち。いやあ、この旅は長いし、果てしない。どこへ行くのかも分からないけど、新しいチャレンジが今日とか明日のエネルギーになっているのは間違いない。ワクワクとかドキドキする気持ちを忘れないためのエネルギー。カメラやレンズとは特にその要素が強いように思う、男子諸君には特にね。

綿密さに驚ろかされたレンズ、エルマリート。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

なんと表現すればいいんだろう、このレンズの描写。そのレンズとは、ライカのエルマリート。コンデジ Leica X2に固定で装着されたElmarit 24/2.8 ASPH.だ。

正直、このカメラを手に入れたいちばんの理由は、そのフォルムがバルナックライカを彷彿させたのと、そのコンパクトで軽量なボディ。レンズについては二の次で、期待していなかったわけじゃないけど、まあそこそこ写れば十分なんじゃないかと思っていた。ところがこの描写なのである。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

感覚的にはまさにM型ライカのLeica M-P typ240に和製エルマリートといわれるM-Rokkorを装着した絵に近い気がする。広角24mm(換算で36mm)だからそれほどボケないけど、その分というかとにかく綿密な描写をみせる。M-Rokkorが登場した頃は、本家エルマリートを凌ぐ写りの良さといわれたらしいが、最新のエルマリートはその評判を覆すクオリティということなのか。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

あいにく台風のような雨続きで、まだまだたくさんは撮りきれていないX2でのスナップだけど、わずかな試し撮りの数枚を見てみても、未熟な僕の目ですらこのレンズがちょっと只者ではないことが分かる。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

そういえば、このLeica X2を購入する時に、お店の人と話していたら、「ライカのレンズを手に入れることを考えたら、ボディ付きでこの金額はお得」と言っていたのを思い出す。たしかにエルマリートを単独で手に入れようとするだけでもかなりの金額になることを考えたら、このX2は破格なのかもしれない。

Leica X2, Elmarit 24/2.8 ASPH.

ただひとつ言えるのは、このレンズは簡単でもないということ。それはAPS-Cのセンサーとの兼ね合いもあるけど、気を抜いて撮っても雰囲気ある写真が撮れるレンズではない。気をぬくとどうかしたらスマホで撮ったような、記録画像のようなありふれた写真にもなる。そういう意味では、僕がLeica M-P typ240にオールドレンズ のSummiluxやElmarをつけて撮る時より、むしろ本気さを要求するカメラ&レンズかもしれない。フルサイズの余裕のある感覚とは異なるけど、ここにもまたライカらしい手を抜かない質みたいなものを感じた。この大雨が去ったら、もっともっと夏の街を撮りに行こう。綿密なクールさを堪能するために。