4月25日に発売された7Artisansの新しいAFレンズをPERGEARさんからお借りしたので、早速その使ってみた感じを作例的な写真とともに紹介しておきたいと思う。
そのレンズ名は、7Artisans AF 50mm f1.8 STM〈Zマウント用〉だ。この商品名を聞いてピンときた人もいると思うけど、先行してSONYのEマウント版が発売されていたんだけど、これがけっこう人気で、満を持して今回〈Zマウント版〉が追加されたかたちだ。
フルフレーム用なので、僕が所有するカメラで試すとなるとNikon Zfということになる。今回のレンズがけっこうモダンで少し長めのデザインなんでZfに合うだろうか?と思っていたのだけど、装着してみるとこれがなかなかカッコいい。クラシック&モダンのハイブリッドモデルのような佇まいなのである。
少し長めのデザインと書いたけど、それは僕がふだん装着しているレンジファインダー用の小型のMFレンズと比較してのことで、ミラーレスの標準単焦点のAFレンズでいうと文字通り、標準サイズといった印象。Nikon純正のSラインのZ 50mm f1.8Sと同じくらいの大きな、重さかなと感じた。
レンズの質感はとてもスマート。作りもしっかりしているし、なかなか高級感もある。クリック感のないシームレスな絞りリングがあり、ここで絞り値を合わせられるし、Aポジションにセットすればボディのダイヤルで絞り値の変更ができる。
全体的な質感の高さに比べると、唯一ちょっと頼りなさげななのがMF/AF切り替え部で、ここの動きがちょっと緩くて、撮影中に指が触れてMF/AFが知らない間に切り替わらないか用心して撮る必要があるかもしれない。すぐに改良できそうな部分ではあるけどね。
でも、気になるのはそれくらいで、後は「なるほど、最新の中国製AFレンズもついにここまで成熟してきたのか」というほど、実にストレスのない優秀なAFレンズに仕上がっていると思う。ステッピングモーター採用で無音でピタッとピントが合い、顔認識/瞳認識にも対応している。
無理のないf1.8という開放値だからか、絞り開放から普通に撮りっぱなしでいけるし、絞れば抜けのいいクリアな描写を見せる。僕が以前使っていたNikon純正のZ 50mm f1.8Sと比べると多少甘さを感じなくもないけど、Nikon純正だとSラインということもあって価格も倍以上するので、それを考えると7Artisans のAF50mmはやっぱりお得な一本と言えるだろう。
詳しいスペックについては、下記にPERGEARさんの公式HPのリンクを貼っておくのでそこで確認してもらえたらと思う。
僕的には、Nikon Zfはクラシックな所作で撮るのが楽しみでもあるので、常用レンズは小型のクラシックなMFレンズがいいかなと思ってるんで、純正のちょっと高価なAFレンズは必要ないかなと考えていたんだけど、3万円台で標準単焦点のAFレンズを持っておけるのなら、それはそれで一本あるに越したことはないなと、このレンズを使ってみて思った。
たぶん、同じように考えてる人も少なくないと思うので、そういう人には選択肢の一つとして有力な一本となるレンズの登場じゃないかな。「安くて、いいレンズ」というモノを掘り出し物的に見つけられると、やっぱり趣味の散財としてはニヤリとできる。子どもの頃にお金をかけずに工夫して遊んだ、あの感情のようなね。
といっても、安いレンズというよりは「いいモノが想像以上に安くなっている」という表現のほうが似合うと思うから、気になる人は試してみる価値はあると思う。
それにしても、最近の中国製レンズの質感の向上はほんと日進月歩というか、年々驚きが増しているというのが個人的な感想。ベンチャー精神がみなぎっているというか、作り手たちの「できるだけたくさんの人に、無理のない価格帯で写真の世界を楽しんでもらいたい」という心意気みたいなものを感じる。
僕なんかは、そういう「この世界を盛り上げたい」というスピリットに共感して中国製レンズを手にとっているところもある。ぜひ引き続き果敢に挑戦を続けてもらって、カメラで写真を撮る楽しみをひろげてもらいたいと考えている。
◎PERGEARさんのAmazonのページのほうでも昨日から予約販売が始まっているようなので、そちらのほうもぜひチェックしてみてください。