
先日、正式発売となり、試写用にと焦点工房さんから送っていただいたTTArtisan 75mm f1.5 M42マウント。巷でBiotarのオマージュレンズと言われている、ぐるぐるボケが特長のレンズである。
M42マウントという性質上、僕はまずPENTAX機で試してみたくて、しばらくK-1 Mark IIとK-3 Mark IIIに装着して、そのフォルムや写りを確かめていた。興味のある人は、以下の過去記事をご覧いただければと思う。

一眼レフにも装着可能な貴重なレンズだから、これからもおそらくPENTAX機に装着することが多くなるのではと思ってるけど、せっかくだからミラーレス機にも装着してみようと思い、Nikon Zfに付け替えてみた。
どうだろう、なかなかカッコよいフォルムじゃないだろうか。レンズのマウント付近はちょっと細身になったデザインなんだけど、その間に挟まる焦点工房さんのマウントアダプターのデザインがまたイケてるので、ボディとレンズが想像した以上にマッチしてると感じる。マウントアダプターはデザインも重要だ。


レンズがガラスと金属の塊のような重厚さなので、グリップの支えがほぼないNikon Zfではレンズ部が重く少し下を向く。マウントアダプターがKマウントのものより長くなるので、全体的に少し前部が長くなるためだが、気にはならないだろう。むしろ、個人的には迫力があっていいと思う。
この写真ではレンズ指標は真上から少しズレているが、これはスクリューをネジこんで装着する際に僕のPENTAX機(マウントアダプターK)に合わせたままで使っているためで、レンズ根本の3つのネジを精密ドライバーで緩めれば指標位置の調整が可能だ。そこもスクリューマウントレンズのなかではありがたい仕様だ。
描写のほうは、もちろんPENTAX機とは撮影モードの仕様も方向性も異なるから、色味は変わってくるけど、同じフルサイズ機で撮る分にはぐるぐるボケの印象も大きくは変わらない。最短撮影距離の75cmまで寄ってもぐるぐるボケは感じられるし、1m以上離れると、よりぐるぐる感が濃厚に感じられる。






このレンズを検討している人の多くは、たぶんミラーレス機を想定してのことじゃないかなと思うので、フォルム的にいえば大きめのボディのほうが似合うと思うけど、小ぶりなボディにこの迫力のレンズを装着するというのもまた、遊び心としては大いにアリな気がする。僕もちょっとフジ機につけてみたい誘惑にかられている笑






フジ機のフィルムシミュレーション「クラシックネガ」で撮ると、このぐるぐるボケの個性ある描写が、よりフィルム時代のオールドレンズ的描写として味わい深くなるんじゃないかという予感。いずれ、僕もちょっと試してみようと密かに考えている。
あとはそうだな、GFXに装着してみるというのもアリだろうな。写真家のHASEOさんがそんなふうにツイートしていたようにも思う。考えてみると、マウントアダプターさえあれば、こうして実に多彩なボディやセンサーとの組合せが試せるというのは、冷静に考えるとちょっと革命的だとも思える。いやあ、素晴らしい時代だ。



というわけで、きょうはTTArtisan 75mm f1.5 M42マウントを、マウントアダプターを介していろんなミラーレス機で楽しんでみることを少し妄想してみた。本来的には、ミラーレス機への装着が写真愛好家たちの本流だろうから、そうした入口的な参考になれば幸いだ。
といっても僕もまだ撮り始めたばかり。いろいろ試行錯誤を楽しみながら、ちょっと時空を超えるようなその描写感覚をもっともっと堪能していきたいと思う。またおいおいブログにてそんな様子をお伝えしていければなと考えているので、たまに遊びに立ち寄ってくださいな。