きょうは、2ndfocusさんからお借りしているMマウントの大口径レンズ〈MR.DING Noxlux DG 50mm F1.1 E58 II〉をしばらく試し撮りしてみた印象みたいなものを書いてみたいと思う。
2ndfocusさんは焦点工房さんのグループ会社で、日本ではまだまだ知られていないアジア各国の注目のレンズを国内に紹介していて、AstrHori〈アストロリ〉と並んで注目しているレンズのひとつが、この「Mr.Ding」というブランド。
このレンズの解説は、以下の2ndfocusさんのサイトにまとめられているので、詳細はそちらをご覧いただきたい。
で、僕のブログのほうは、試し撮りしてみた写真と、個人的に感じた使用感みたいなものを少し紹介できればと思う。
Mr.Dingというブランドは、以前はOEMでレンズを供給していたということで、その後、自社ブランドへと発展。中国のベンチャー企業はライカをリスペクトしたブランドが多いけど、このMr.Dingのレンズもその「Noxlux」という名前とf1.1という開放値を見れば何をオマージュしたものかはお分かりだと思う。
レンズはブラックとシルバーの2色があるけど、僕がお借りしたのはシルバーで、この少しマットな輝きと、いかにもガラスの塊のような上質な質感がなかなかクールで気分を上げてくれる。
焦点距離は50mmで、まさにMマウントの基本の世界。僕が装着してみたLeica M8だとAPS-Hセンサーサイズなので67mm程度の画角になる。少し中望遠気味で、それが散歩カメラにはちょうどいいと感じる画角だ。
最短撮影距離は、通常のMマウントレンズと同様に70cm程度。凄く寄れるわけじゃないけど、f1.1と明るいレンズで被写体が浮かび上がるような描写を楽しむなら、むしろ接写よりもほどよく離れた距離から撮るほうが、レンズの味が楽しめると思う。
ライカのレンズと比べるとそれこそ桁が違う低価格で楽しめるのがなんといっても魅力だと思うけど、写りのほうもしっかり楽しませてくれるというのが、僕の使ってみての感想。
開放f1.1のちょっとあまい、それこそオールドレンズを思わせるノスタルジックな描写感覚は、それだけでもこのレンズを手にするおもしろみがあると思う。もう僕なんかは、可能な限り開放付近ばかりで撮っている笑。
空を撮る時は絞って撮るわけだけど、開放の時とはちょっと異なる締まった描写も悪くない。絞りの具合でジキルとハイド的な写りの変化を見せてくれるのも、こうした大口径レンズのたのしいところ。
ちなみに、フルサイズセンサーのSIGMA fpにも装着して試し撮りしてみたけど、周辺部のあまさが逆に中央付近とのギャップとしてユニークに同居している気がして、なるほどフルサイズのミラーレスで楽しむレンズとしてもアリな一本だと思った。
年々、性能の向上が著しい中国製レンズ。f1.1クラスのレンズも他社ブランド含めいくつか見受けられると思うけど、Mr.Dingはその大きさのまとまり感やデザインの秀逸さ、絶妙なトルクのリング設計など、とてもモダンに作られている印象。僕は個人的にすごく気に入って、Leica M8には最近は僕つけっぱなしにしている。
そうそう、レンズフードも付属しているんだけど、レンズ先端をクルクルと回すと1cm幅程度のフード用パーツが取り外せて、逆さまにしてつけるとコンパクトなフードになる。このへんの仕様もコンパクトかつラフに使えるレンズとして、よく考えられた部分だ。
描写特性については、人によって好みもまちまちだと思うので、ひとまず僕が試し撮りした写真などを見てそのあたりは判断してもらえたらと思う。
それにしても、この質感とf1.1の描写のレンズが7万円台で試せるというのは、やはり中国製のベンチャー企業のチャレンジングなレンズならでは。大事に扱いすぎずに、ラフにf1.1の世界を普段着感覚で楽しむ。大いに選択肢に入れたい一本ではないかと思う。
ほんと、中国製レンズから目が離せない、そんな時代がやってきたなあと、つくづく感じるのである。
★2ndfocusさんは、こんどのCP+ 2024にも出展されるので、行かれる方はぜひ現地で実物を確認してみてください。