写真とは

森山大道さんのカメラが意味するもの。

日本カメラ7月号 森山大道ロングインタビュー頁より

カメラ業界がスマホカメラの台頭におされて年々シュリンクしている危機感を感じる一方で、カメラにこだわり日夜カメラやレンズのスペックを追究しているカメラ愛好家の人たちもまだまだ多い。

僕なんかはフィルムカメラの延長線上でデジカメも楽しむ程度だから、それほど高画素へのこだわりもないし、顔認証AFや覚えきれないような先進機能なんかもまったく求めてはいないけど、それでもカメラ好きが高じて、やれフルサイズだの、やれライカだの、やれ単焦点レンズがどうのだの、結果として高価なカメラなんかにもついつい欲望がわいたりする。

でも、この日本カメラ7月号にさらりと紹介されている森山大道さんのカメラは、いわゆるコンデジ Nikon Coolpix S7000だったりして、あらためて驚くのである。

日本カメラ7月号で紹介されている森山大道さんの愛機

例えばRICOH GRIIIやSONY RX1、最近だとSIGMA fpとかFUJI X100Vとか、フルサイズコンパクトだったり高級コンデジだったりと、プロやハイアマチュアの人でも好んで使いそうなスペシャリティ色の強いカメラはたしかにある。

そういうカメラで森山大道さんがストリートを撮ってるというならそれほど驚きはないけど、5年も前の、特に驚きはない普通にカメラビギナーの人でも使ってそうな一般的なコンデジを使って撮っているのである。世界の森山大道さんがである。

僕は森山大道さんの機材などに詳しいわけじゃないから、すべての写真をこのコンデジで撮られているかどうかまでは分からない。けれど、過去に読んできた写真雑誌なんかでもNikonのコンデジで撮ってると書かれていたから間違いでもないと思う。

あらためてだけど、カメラって何なんだろうね。カメラはあくまで道具だから、写真が良ければカメラは何だっていいというのはよく言われることだけど、それは正論だけど大抵の写真通の人たちはカメラにこだわりがあり、やれ高価なカメラや希少性のあるカメラを好んで使う。

でも、そんな本格的カメラというモノは、どんどん売れなくなってきていている。けれど一方で、スマホカメラのおかげ?もあって写真を撮る人たちの数はおそらく歴史上、最大になっているともいえるし、動画撮影を含めたカメラ需要はむしろ上がるんじゃないかと思えたりもする。

そして、ここでも触れたように、最高にクールな写真を、森山大道さんは極々ライトなコンデジで生み出している。上手く言えないけど、カメラが生き残ろうとして技術競争しているスペックたちはどこかトンチンカンだぞ、と言われてるような気がするんだな。

いや、この話に結末はないし、あくまで僕個人の印象だから、そこは軽く受け流してほしいのだけど、そんなことをふと考えた午後だったのである。過去から続くカメラの道は好きだけど、未来への道はまったく異なるんじゃないか。カメラは再発明されないといけないんじゃないか、とかね。

関連おすすめ記事

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です