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僕のブログやTwitterを以前からのぞいてくれている人ならおわかりだと思うが、ここ三ヶ月くらいの間に僕の日々の相棒カメラのラインナップはがらりと変わった。そう、ほぼFUJIFILMのカメラばかりで撮るようになった。
それまで主にニコンとライカを中心に撮ってきた軌跡みたいなものは過去記事を読んでいただくとして、なぜ僕がそこまで常用カメラのスタイルを一変させたのか。それは、X100Vというカメラに出会ってしまったことに他ならない。今のじぶんのスタイルを思うと、その出会いは僕のカメラ人生において途轍もなくインパクトがあったといえる。
そこまで衝撃を与えるパワーがどこにあるのか。それはまず、このカメラに込められた富士フイルム社の開発陣たちの尋常じゃない思い入れ、熱量にあると思う。まずは、このプロダクトムービーを観てほしい。
そりゃ、メーカーが自社製品のPRのために制作したムービーだから、雰囲気良さげに作られていることは間違いない。けれど、なんでもそうだけど、尋常じゃない思い入れやこだわり、熱量みたいなものは、どうやったって滲み出ちゃうんだよね。まず、この開発者の人たちこそがX100Vに惚れ込んでいることがジワジワと伝わってくる。こういう雰囲気こそがブランドだと思う。
ブラックシップモデルでもない、この「コンデジ」というジャンルのカメラに、富士フイルムはどうしてここまで圧倒的な熱量でこだわるのか。それは、このカメラが現在幅広く展開されるすべてのFUJIFILM Xシリーズの「原点であり、根幹モデル」であることに起因すると思う。Xシリーズのすべてはここから始まり、Xシリーズの未来は常にここから革新していくのである。
ちょっと饒舌になったけど、僕がこうやってブログごときでは表現できない、もっと孤高の信念で作られたのが、このXシリーズの最新作X100Vであることは間違い無いだろう。その言葉では言い尽くさない質感であり迫力みたいなものは、ぜひ店頭で手にとって確かめてほしい。カメラは写真を撮る道具にすぎないけど、写真を撮る前提として、まずプロダクトとしての愛おしさにここまでこだわったことこそが、このカメラに他にはない命を吹き込んでいる。
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そして、写りである。僕はもちろんここまで語ってきた「プロダクトとしてのX100Vの尋常ではない作り込み」に惚れ込んだのは間違いないが、僕をこのカメラへと最初に向かわせたのはクラシックネガを通したその描写だった。クラシックネガとは、富士フイルムがまさにネガカラーの世界観をデジタルで再現しようと試みた、日本のフイルム販売会社としての使命感であり意地だったと思う。事実、僕はこのクラシックネガという撮影スタイルを手に入れて以来、フイルムを一本も使っていない。
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フィルムの代わりになっているなどと安易なことは言わない。そういう意味ではフィルムでは無いけど、これまでのデジタルでもない。フィルムともデジタルとも異なる新しい領域へ富士フイルムは突入したとすら思っている。フィルムをいちばん愛する企業だからこそ、富士フイルムはその革新の道を選んだとさえ感じている。彼らは未来の扉をクラシックでノスタルジックな世界を見つめることで突破しようと試みた。まさに、富士フイルムが展開するXシリーズのカメラたちの世界観のようにね。
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このクラシックネガで撮る写真の描写は、X100Vだけにかぎったものではない。X-Pro3以降の現行の最新機種でなら撮ることが可能なフィルムシミュレーションの新しいスタンダードだ。でも、この描写はストリートスナップでこそ映える。僕はそう感じていて、その意味ではコンデジと呼ばれるコンパクトでレンズ一体型のX100Vこそ最もフィットする世界だと思っている。
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撮影フィールは、もはや言うことはない。いわゆるスナップシューターで、ファインダーがあって、しかも光学ファインダーも選べるAPS-Cのコンパクトなカメラとなると唯一無二の存在。特に街中ではEVFだけじゃなくOVFで撮れることは、街をしなやかに切り取る感覚的にはライカ同様の気持ちよさを提供してくれる。しかもオートフォーカスで撮れる。ちょっと代わりの効かない存在なのである。
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と、このままX100Vの話で終わってもよかったが、そのX100Vについに好敵手が現れたことは触れておいたほうがいいだろう。それは、X-E4の存在である。光学ファインダーこそ使えないが、レンズ交換式でパンケーキレンズを装着してもX100Vを凌駕する軽量コンパクトさを打ち出してきた。もちろんクラシックネガほか、最新のフィルムシミュレーションほか、手ぶれ補正をのぞけばブラックシップ機X-T4に並ぶ描写力だ。
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富士フイルムという企業が素晴らしいのは、カニバリなんてなんのそので、多少被る性能があっても、使い方としてエッジを研ぎ澄ませた別のカメラをちゃんと用意してくれることだ。こんな概念、相当なカメラ好きじゃないと社内の開発会議で意見が通りっこないし、マーケティング的にはオールマイティという邪道な言葉に飲み込まれてしまう時代だ。それでも、X-E4はX100Vのまるで好敵手としてもうすぐ発売される。さすがX100Vを出した会社だ。クレイジーで最高なんだよ、FUJIFILMは。
僕はX100Vをチョイスしたけど、X-E4という選択肢は大いにあると思う。どちらも、極論でいえば「これ一台あればいい」と思えるレベルのスナップシューターであることは間違いない。
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