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ここ最近、僕の街撮りスナップ用カメラはFUJIFILMのコンパクト機がメインで、X100VかX-E4で撮ることが多い。そうすると、フィルムシミュレーションはやはり最新の「クラシックネガ」をチョイスすることがほとんどで、実際、日本的ノスタルジックなその描写もとても気に入っている。
でも、そんなクラシックネガな毎日が続くと、ふと織り交ぜたくなるんだよね、モノクロームを。そう、富士フイルムのモノクロームの代名詞であるACROSモードのことである。
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僕程度の知識と経験では、スタンダードなモノクロモードとこのACROSモードの違いを事細かに分析する能力は無いんだけど、ACROSの場合は単に描写の違いを追い求めてというよりは、やはり「ACROS」というフレーズにとても惹かれるんだよね。フィルムカメラ時代の気分が蘇るというかね。やはり特別なフィルム(シミュレーション)なんだろうね、ACROSは。
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なかでも、夕刻の薄暮の時間帯から夜にかけてACROSモードで撮る時は、どこか気分的に街中を浮遊している感じが僕の中では強くて、カラーで撮る時よりもどこか穏やかに、どこか陶酔するような感覚で撮り歩いてる気がする。そう、つまり癒しのひと時なんだ。
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これはあくまで僕という一人の写真好き、カメラ好きの人間の個人的感想なんで、ACROSモード=癒しモードというわけではないんだけど、ACROSという名称が気持ちのありようになんらか強く作用していることは間違いない。「いまACROSで撮ってるじぶん」というのに少し酔っているのかもしれないね。
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ACROSモードを使うことで、ノスタルジックの向こう側へ行けるような感覚というかね。そう考えると、カメラメーカー各社の製品にも必ずモノクロームモードはあるわけだけど、こうしてかつて実在したフィルム銘柄をそのままネーミングし、そのフィルム色の描写を再現しようとしているFUJIFILMのフィルムシミュレーションは、やはり他所とは違って僕の中では別格の感じがするんだよね。
現代社会を生きてると、もうやるせないようなことが多々あったりするわけだけど、そんな日は会社からの帰り道、ACROSモードにして街を徘徊するといいんじゃないかと思う。街の中を浮遊して泳ぎ回るような感覚で。そういう魔力がこのACROSモードにはなにか宿っているような気がするのである。
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