
普通の会社の企画会議では「おもしろいけど、冗談はこのくらいにして…」と受け流されそうなカメラが、また富士フイルムからまさかの製品化ということで、クレイジーな富士フイルムが戻ってきたことに歓喜している人も多いと思う笑
まあ、富士フイルムがキヤノンやニコンと同じようなモノを世に送り出しても、カメラファンや写真好きな人からすると選択肢的にはおもしろくないわけで、レンズ固定式のGFXしかり、「こんなのFUJIFILMしか出さないだろう」というマーケティングは正しくもあると思う。
今回のX halfは、そうだな、印象としては世界的に人気のチェキとX100シリーズを融合させて、その人気の根底にある「写真屋が作る、アナログ写真ライクなコンパクト機をさらに”らしく”してみたカメラ」といったところだろうか。あくまで僕が受けた印象なのであしからず。
特徴的なのは「縦構図写真機」ということで、かつてのハーフサイズカメラのおもしろさから着想を得たということ。ファインダーもハーフサイズカメラのように縦型だし、背面モニターも縦型。加えて、フィルムカメラのように36枚?撮り終えるまでは、感度やフィルムシミュレーションを変更できないという「フィルムカメラでいう現像するまでのお楽しみ」という凝った遊び心もあるらしい。
まあ、僕がまだまだ詳細を理解しないまま書いてるところもあるので、詳しくはここに挙げた各種動画なんかをご覧いただくのが間違いないと思う。
店頭価格は11万円前後との情報なので、なにかと富士フイルムのカメラが高価格化しているなかでは、かなり買いやすい価格できたなと思う。海外だとさらにお買い得に感じる値頃感なんじゃないだろうか。まあ、世界的にこれは売れそう。
デザインギミック的にはフィルムのハーフサイズカメラをモチーフにしてるけど、PENTAX 17同様にその縦型写真はスマホカメラ世代への親和性があるし、操作性も背面モニターをタッチ画面としてスワイプしたりと、いかにも現代的だ。専用のスマホアプリとつないで拡張する感じもそうだね。
あ、そうそう、RAW撮影も取り除いたJPEG撮影専用ということで、このあたりも思い切りがいい。コストも抑えられるし、フィルターは豊富なもののフィルム現像そのものには関与しないというのも、かつての一般的フィルムカメラの仕様(現像はラボにお任せ)とも説明がつく。なるほどと。
フィルム巻き上げレバーのようなものは、実際に可動式だけど、これは通常はシャッターチャージ用ではなくてハーフサイズらしい2in1の写真を仕上げる時のスイッチ的なものらしい。でも、フィルムカメラモードに設定すると、一枚一枚撮るたびにシャッターチャージレバー的に毎回レバーを引くんだって(凄&笑)。ファインダーは光学式だけど、これは「光学ファインダー気分も味わえます」ということで、普通は背面モニターを見て撮る人のほうが多そうだ。
デジカメWatchさんの実機による解説動画を見てみると、想像以上にちっちゃいことも分かる。一般的に、小さすぎるカメラは返って構えづらいということもあるけど、このX halfはそのあたりどうだろうね。
でも、レンズが多少飛び出ているとはいえ、このコンパクトさならポケットにサッと忍ばせたりという、いかにも気負いなく日常的に持ち歩いてラフにカジュアルに写真機ライフを楽しんでほしいという意図はビンビンに伝わってくる。

発売は6月下旬頃じゃないかと言われてるみたいだけど、気になるのは6月12日にさらなる次のX Summit があるという予告があり、その回のテーマが「ずばり、クラシック」ということらしいんだよね。
「クラシック」となると、まさにアレとかアレとかの新製品発表も期待してしまうところ。そうなると、趣味の散財をどのタイミングで行うのかというのも悩ましいところじゃないだろうか笑。
まあ、兎にも角にも、ちょっと「変態カメラの富士フイルム」の兆しが戻ってきたということで、楽しみが増えることは間違いない。その行方も含めて、今年は「写真機」の革新を大いに楽しもうじゃないか。