昨年から続く世界的な半導体不足の影響もあって、話題の新製品カメラやレンズの生産や流通が進まず、そうした製品が手に入りづらい状況が続いている。
もちろん新製品発表早々に予約をすれば、それでも発売直後に手に入れられている人もいるんだけど、たぶんなかには「商品の実物を見ずに、いきなり予約するのもどうも…」という人も少なくないと思う。
実は僕もそのタイプで、カメラやレンズはお店で実際にじぶんの手で触って確かめてからでないと、まず購入することは無い。
といっても、そのお店で触るカメラが無いのなら、これはもう当面、新製品のカメラの購入は様子見するしかないわけだけど、これをきっかけにその間に楽しめることもある。
そう、少し古い中古カメラに目を向けてみるということ。
フィルムカメラでもデジカメでもいいけど、ここではデジカメのことを少しとりあげたいと思う。
僕はオールドデジカメなるものが好きだ。オールドデジカメの定義は人それぞれだけど、僕の感覚的には7〜8年以上前とか、二世代以上前のデジカメがそれにあたる。
例えば、このブログのタイトル写真にあるFUJIFILM FinePix S2 Pro。2000年代前半に登場したこのカメラは、Nikonのボディをベースに富士フイルムが製造したハニカムCCDセンサー機で、当然ながらFマウントのニッコールレンズが使える。
この後に発売されたS5 Proは名機Nikon D200がベースになっていることもあって、いまでも密かに人気のカメラだったりもする。
懐かしい感覚がそう思わせることもあるけど、CCDセンサーとオールドニッコールで撮る写真たちは、どこかノスタルジックな雰囲気に満ちていて、なかなか写真好きの人の気持ちを高揚させてくれる。
あとCCDセンサーということでいえば、RICOH GR digital(GRD)シリーズもおもしろい。
現在のAPS-CサイズのGRシリーズよりはボケなどの描写力に劣る小さなセンサーだけど、CCDが紡ぎ出す色は今でも定評があるし、接写5mmほどまで寄れるのはなかなか圧巻だ。
初代GRDから4世代目のGRD4まであるけど、動作的なストレスをほぼ感じずに使うならレンズ開放値が明るくなったGRD3か、手ぶれ補正が載ったGRD4が使いやすくて便利だとも思う。
あとは、やっぱりFUJIFILM Xシリーズの初代機たちだろうか。コンデジのX100初代と、レンズ交換式初代のX-Pro1。
X100のほうは富士フイルム独自のX-Trans CMOS機ではないけど、そういう意味では「夜明け前の初代機中の初代機」という希少性もあり、なんとも言えないピュアな写りをする。
手に持った時の収まり具合でいえば、現行のX100Vより馴染み、まるでフィルムカメラで撮っているように酔えると思うのは僕だけではないだろう。
そのX100の後に、満を持して富士フイルムが投入したレンズ交換式システム機なのが初代X-Pro1。
いかにもカメラ好きが作ったと思えるそのデザインと佇まいは実に素晴らしい。
登場時こそ動作がもっさりしていると指摘されることも多かったが、実はその後のファームアップでいま使うと別物といっていいほどの使いやすい性能まで押し上げられている。
そんなこともあってか、X-Pro1の程度のいい中古カメラは、若干高騰しているようにも見える。
できれば安くて良いものをうまく見つけたいところだ。
そうそう、昨日かな、そんなオールドデジカメをおすすめする記事も見かけたから、下にリンクを貼っておきます。
世界的な半導体不足がいつになったら解消されてくるのかは未知数だけど、その間を使ってのんびりと古き良き時代を噛み締めるのも悪くない。
値段も安いから、そうしたオールドデジカメで楽しんでいる間に、新製品のカメラ購入予算を貯めるという方法もあるだろうしね。
写真に精巧さだけじゃなくて味みたいなものを求めるなら、少し古いデジカメやレンズは実におもしろい。
このブログの中にもけっこうそんなカメラたちのことを書いてるから、ぜひそちらものぞいてみてください。ではでは。