いやあ、こうしてあらためて眺めても実にいい佇まいのカメラである。FUJIFILM X100V、そのいかにもカメラらしい佇まいで人気になるのは分かるけど、現在はちょっと驚くほどの高値になっていて、こうなるとなかなか手放しでおすすめはしづらい。
僕が数年前に新品で購入した時が、長期保証や予備バッテリー、背面液晶のガラスコーティングなんかを入れてコミコミで20万円くらいだったんじゃないだろうか。もう販売期間も末期に来ていただろうから、そこから幾分か安くなっているのが普通だが、現状はと言うとむしろそれより価格は高騰している。
その理由としては「手に入りにくい」ということ、そしてTikTokの影響で全世界的に人気になっていることがあるらしく、需要と供給の関係でまさしく売り手市場価格になっているというわけだ。
実際、このX100Vは使ってみると妙に惹かれるところがある。ベースはクラシックなデザインなんだけどエッジの効いたフラットデザインは絶妙にモダンで、懐かしさと新しさのいいとこ取りのような贅沢さがある。しかも、サイズがまた絶妙で、大きすぎず小さすぎず、重さも含めて手の中の収まり具合が実にカジュアルで軽快だ。
機能的にも、OVF(光学ファインダー)とEVFが切り替えられるハイブリッドビューファインダーはギミック的にも楽しい。手ぶれ補正機能こそついていないが、高感度性能と明るいF2の単焦点レンズだから、特に気にする必要もない。加えて、クラシックネガなどフィルムライクな写真撮影がJPEGで簡単に楽しめるんで、そのあたりが若い人に人気なのだろうと思う。
レンズが固定式なのも、かえってシンプルでいいのだと思う。やれレンズ交換などに気を遣わなくていいし、カメラはいい意味で脇役で出かける時に手軽に携帯できるくらいがちょうどいい、という人なんかにはうってつけのカメラ。その手軽さは、ハイアマチュアなカメラ使いの人のサブ機というポジションでも人気なのだろう。
こうして書いていてもいいとこだらけだったりするから、それは人気になるのも頷ける。僕の肌感覚的には、SNSなんかを見ても日本よりもさらに海外で人気な気がしている。そういう意味では、グローバルで支持されるプロダクトデザインに仕上がっていて、FUJIFILMのデザインの勝利と言ってもいいんじゃないだろうか。
一部ではすでに販売終了しているとも言われるが、もしそうなら後継機の登場を待つのがいいのかもしれないが、それがいつの事になるかは不明だ。この5月末にX Summitが開催されるんでそこに後継機が出てくればハッピーだけど、どうやらそこよりももう少し先の話になるんじゃないかとも。こうなると、なかなか待つのももどかしい。
いちばんいいのは、高騰気味のネット通販ではなくて、誰かから比較的安く譲ってもらうというのが得策なのかもしれない。お店によっては案外、適正な価格で中古商品を売っているところもあるのではと思うけど、どうだろう。といっても、僕なんかもX100Vをとても気に入ってるんで手放す予定は無いし、そういうユーザーの強い愛着が市場の品薄にさらに拍車をかけているのかもしれないね。
逆に、高騰しているレアアイテムだからこそ、高値でもいま手に入れて満足感を得るというのもあるかもしれないけど…ここはなかなかむずかしい選択である。FUJIFILM さん、なんとか手頃な価格の後継機を早めに打ち出してもらって、X100Vのほうも適正価格に導いてもらえると助かるんだけどね。しばらくこの動きは注目だね。
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