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手に入れたばかりのFUJIFILM X100初代機に仮ストラップをつけて、まずは家の近くを少し試し撮り散歩してみた。もう9年前のカメラだから、FUJI機おなじみのフィルムシミュレーションも5種類(PROVIA、VELVIA、ASTIA、モノクロ、セピア)しか無くて、なんとなくASTIAで撮ってみることにした。
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撮り始めはやはりOVF(光学ファインダー)からスタート。やはりX100シリーズといえば、このハイブリッドファインダー。9年も前にこんなハイテクシステムを搭載していたかも思うと、それもまた感慨深いものがある。ピントをしっかり合わせて撮るという観点からいけばEVFが便利だけど、そこは多少曖昧なブライトフレームの素通しガラスファインダーが雰囲気があっていい。
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先代までのX100シリーズといえば、やはり定評のある35mm判換算で35mm/f2のレンズ。開放ではオールドレンズのようにふんわりとした描写が味わえると聞いていたので、そのあたりを確かめたくて絞り開放でどんどんシャッターを切ってみた。
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これだけ写れば十分なんじゃないだろうか。ISOはたしか200で固定、露出調節も±0、特に変わった設定はせずに普通にシャッター切ってみたけど、この描写はさすがにコンデジの域は超えてると思うし、スマホカメラで代用の効かない世界を見せてくれる。四代目のX100Fまでレンズは設計を変えず不便だったというのも頷けるし、このレンズのファンがいまだに多くいることも、なるほどなと。
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たしかにAFのレスポンスが現行機と比べると遅かったり、いま人気のフィルムシミュレーション「クラシックネガ」や「クラシッククローム」では撮れないけど、それもシンプルさと考えれば、このカメラならではの味に思える。あれこれむずかしいことは考えずに、素直にシャッターを切ることに集中できる、まさにカメラらしいカメラかもしれない。
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あと、絞ればしっかりキレのある描写も見せるし、あいかわらずX100シリーズはこれ一台あれば他にカメラはいらないんじゃないかと思わせてくれる高いバランスの良さを感じる。あと、これはリミテッド・エディションならではかもしれないけど、深みのある黒塗りのボディが実に手の中によく馴染んで、本当にフィルムカメラで撮っているようなしっくりくる感覚がある。このあたりはX100Vとも異なるヴィンテージ感の楽しさかもしれない。
いまさらながら、Xシリーズの初代機でもあるこのX100は、その志の高さというか思想の高らかさにハッとさせられる。僕は最近メインカメラとしてよく使っているX100Vのまさにルーツが知りたくて、このX100初代機を手に入れたけど、富士フイルムというメーカーの本気を見たというか、FUJI機の素晴らしさをあらためて実感している。きょうのところはこのあたりで。引き続き、X100VとX100初代機とで、その「ワールド」を堪能したいと思っている。