Fujifilm X100

X100初代機をマニュアルフォーカスで撮る。

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FUJIFILM X100 初代、Black Limited Edition

いま「X100シリーズ」と聞くと、現行機のX100Vか、一世代前の(といってもたしか今も現行品で店頭に並んでる)人気のX100Fを想起する人がほとんどだと思うんだけど、この初代機となるX100も実はなかなか良い。(厳密に言えば、僕のX100は登場から一年ほど遅れて発売されたブラックリミテッドエディション)

Xシリーズの最初の機種でもう10年前のカメラなんで、よく言われるのはオートフォーカスのじれったさだけど、僕はそれほど気にならなかったんで、けっこう街中にもAF設定のまま連れ出したりしてる。これもよく言われることだけど、この最初のX-Trans CMOSセンサーの独特の色味と、前世代までの開放が味があると言われるレンズの組合せは、やはりなかなか味わい深いものがある。

まあ、とはいえ僕なんかはフィルムでマニュアル撮影をあせらずスローに楽しんだりしてる口なんで、いまのカメラに慣れた人からすると、やはりAFスピードの遅さはじれったりと思うかもしれない。そこで、いっそのこと、マニュアルフォーカス設定にして撮ってみれば!という話である。

そもそも、このX100が登場したのは、いかにもフィルムカメラで撮るあの感覚をデジタルでも楽しもうという趣旨のものだから、軍艦部にはシャッタースピードの物理ダイヤルもあるし、レンズ部には絞りリングもある。片手でサクサク撮るカメラというよりは、両手でフィルムカメラと同じ所作で撮ることを前提に作られたカメラと言ってもいい。だとしたら、距離のピント合わせもレンズ部にそえた左手でクルクル行うのが自然なのである。

僕なんかはライカと同じ要領というか、予め距離を固定しておいて、じぶんが前後に動いて目測でシャッターを切ることが多いんで、愛犬の散歩時なんかに片手で撮る時も割とマニュアルフォーカスで撮ってしまう。そう考えると、X100の「遅さ」はそれほど苦にならないというか、気にならない。むしろ、いい感じでスローな気分が楽しめるクラシックカメラという点が際立ってくる。

そうそう、光学ファインダーも選べるハイブリッドビューファインダーがX100シリーズの特徴の一つだけど、これも撮影後に写真表示をオンに設定した場合は液晶表示する分タイムラグがあるけど、これも撮影後写真表示をオフに設定すれば、OVFのままフィルムカメラのようにサクサクとシャッターが切れる。とにもかくにも、このX100はフィルムカメラのように使うのがいちばんストレスがなく自然だ。

注意するとすれば、バッテリーの規格が現行品とは異なるので、FUJIFILMのカメラをすでに使ってる人たちはそこだけ流用が効かないくらいかな。あとはね、もうむしろ、現行のX100Vより間違いなく味があります。ここでいう味というのは、ルックスでありコンパクトさ。X100を上から眺めて手に持つと、富士フイルムがなぜAPS-Cサイズをチョイスしたのかがよく分かる。本当にフィルムカメラの大きさ、あのままなのである。

フィルムシミュレーションもシンプルで、この頃はPROVIA、Velvia、ASTIA、モノクロ(フィルターは各種あり)、セピアしかない。セピアはほぼ使わないから、そうすると撮影ポジションは四つ。必然的に基本シミュレーションとなるPROVIAやVelviaを見直すように使用するから、これもまた最新のフィルムシミュレーションに慣れ切った身には新鮮だったりする。

僕はX100Vを使い始めた後に、X100シリーズのルーツが知りたくてこの初代機を手にしたのだけど、ふだん街撮りでX100Vを持ち出してる分、家の近所ではゆっくりまったりX100で撮ることが密かな楽しみだったりする。あまりに持ち出す頻度が増えたんで、昨日予備バッテリーも注文したところ。いやあ、時代に逆行してる感は否めないけど、これが本当に楽しいのだ。じっくり探せば程度が良くて安いものも見つかると思う。

10年前の当時を思い出しながら撮るも良し、フィルムカメラのまさにデジタル版として楽しむも良し。クラシックなカメラを楽しむ選択肢の一つとして、ぜひこのX100初代機も楽しんでみてほしい。(初代機以降の二代目X100Sや、三代目X100Tも狙い目かもね)

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