世は完全にミラーレス時代になったけど、だからこそ他の現代的カメラでは味わえない孤高の存在になってきた一眼レフ機が愛おしく、僕は離れられずにいる。
このPENTAX K-3 Mark IIIのおかげだ。
購入してから一年半ほどが経つだろうか。このK-3 Mark IIIのおかげでPENTAX機にもすっかり魅せられ、おかげで一眼レフボディとKマウントレンズが徐々に増えた。まったくミラーレスの進化とは逆行しているわけだが笑。
で、何がそんなにいいの?という話だけど、一言でいえば「とにかく撮っていて楽しいカメラ」ということに尽きるけど、それを敢えて分解して伝えるとするならば、以下の5つほどのポイントになる。
まず一つ目は、やはり光学ファインダーである。僕は最新のミラーレスであるFUJIFILM X-T5も使っているけど、ファインダーをのぞいて撮影する気持ちよさでいえば、圧倒的に光学ファインダー機が気持ちいいと再認識している。
APS-Cなんだけどフルサイズ機並みに大きく明るいK-3 Mark IIIの光学ファインダーを味わうと、ますますこの光学ファインダー機から離れられなくなる。僕は朝晩の太陽が低い時間帯に撮るのが好きだけど、逆光気味の時間帯だとEVFより光学ファインダーがとにかく見やすく、ナチュラルな視界は大地と僕を一体化させてくれる。
ペンタプリズムを生み出したPENTAXが光学ファインダーにこだわり続けるのは、企業の体力や他者との差別化もあるだろうけど、カメラで写真を撮る気持ちよさへのピュアなこだわりの結果だとも感じていて、そういう意固地(褒めてる)なPENTAXが愛おしく思えるのである。
二つ目の良さは、シャッターフィールである。最近のミラーレスの最先端フラッグシップ機はメカシャッターレスがトレンドになってきたけど、レフが小気味よく動作するレフ機のシャッターはやはり官能的だ。K-3 Mark IIIはそれがさらに現代的にソリッドに仕上げられていて、シャッターを切っていて実に小気味よく心地いい。決して大袈裟ではなく、撮るたびにゾクゾクっとする。
三つ目の良さは、その適度なサイズだ。僕は購入時にフルサイズのK-1 Mark iIとも実機を比べたけど、やはりひとまわりはK-3 Mark IIIのほうがコンパクトだ。たしかにミラーレス機よりは大ぶりとも思えるが、ギュッと塊感があってファットには感じない。Kマウントのレンズは新旧ともにそれほど大きくないんで、全体的に取り回しやすいジャストサイズだと思っている。
四つ目の良さは、グリップの気持ちよさである。これは実際に触ってもらうしかその良さを伝えづらいけど、とにかく手と指に吸い付く気持ちよさがたまらない。開発者の解説動画を見てもグリップへのこだわりは人間工学的にもこだわっていて、ボディの底面の角が手のひらに刺さらないように絶妙にラウンドしていたりする。ここはぜひ一度、触って確かめてほしい。
そして最後の五つ目の良さは、やはり描写の良さだ。いや、今どきの最新のカメラはどれだって画質は素晴らしいわけだけど、PENTAXはレンズも含めてナチュラルさにこだわり続けているように思えて僕はとても好意的に見ている。妙に盛らないというか、動画にこだわらない分、写真そのものの無垢な美しさを追求しまくっているイメージがある。
そういう意味でいえば、デジタルハイテク機としての派手さには欠けるかもしれないが、その飾らない感じがありのままの空気を切り取る写真という意味では素直でいいなとも思う。あくまで僕の主観だけど、PENTAX機はいたずらに写真機を超えることはせず、写真と等身大でいる関係性を維持し続けることにこだわっているような気がする。
まあ、理詰めで良さを並べるとこんな感じになるのだけど、こうして良さを分解して書くこともちょっと違和感があるというか、全体的なバランスがやはり魅力的なカメラなのである。
これからも一眼レフにこだわり続けることが、PENTAXにとって、また僕らユーザーにとって有益なことがどうかは正直分からないけど、とにかくいまこの瞬間の心地よさを堪能するんだという点でいえば、代わりが効かないのが僕にとってのPENTAXのカメラでありK-3 Mark III。ここにはやはり唯一無二の世界が生き続けているのである。
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