PENTAX K-3 Mark III

たぶん、K-3 Mark IIIと数本のレンズがあれば、それでいい。

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PENTAX K-3 Mark III, smc FA 50mm f1.4 Classic

二週間ほど前に発売したばかりのレンズ〈smc PENTAX-FA 50mm f1.4 Classic〉なんだけど、その名が示す通り新製品らしからぬその〈クラシック〉な佇まいが実に味があってよい。

それもそのはずで、このレンズは真新しい設計ではなく、それこそsmcの名が示す通り、往年のフィルムカメラ時代の標準レンズに〈虹色フレア〉が楽しめるというコーティングの遊び心を加えて甦らせたもの。

各社が最新ミラーレス機やそのレンズでどんどんスペックを塗り替えているなかで、ある意味「時間が止まったような」一眼レフ機とリバイバルレンズ的趣きなのだけど笑、まあこれが「撮る楽しみ」と「眺める楽しみ」という点では美味しいのである。

一眼レフ機とリバイバルレンズ。じゃあそこに古さを感じるか?と言えば、もはやそんな時間軸はどうでもいいというか、新しいとか古いとか、やれ数値的スペック型どうのとか、そういうフィールドとはまったく違う場所で遊んでいるかのようなのである。

実際、このPENTAX K-3 Mark IIIを手にして以来、僕の中では最新スペック競争への興味はどこかへ行ってしまった。それこそ、スペック競争の時間軸が「止まった」という感じだろうか。

PENTAX K-3 Mark III, FA 77mm f1.8 Limited

以前からクラシックなスタイルのカメラが好みだったんで、そういう傾向はあったと思うけど、このK-3 Mark IIIで撮り始めたことで、完全にその思考にトドメを刺してしまった笑。

でもね、楽しいのだ、ほんと。Kマウントのフィルム時代のレンズをあれこれ物色しては、もう10本ほど味のあるレンズが増えたし、ボディのほうもCCD機とか先祖帰りして数台のPENTAX機が増え、じぶんでもそろそろペンタキシアンを名乗っていいのじゃないか?というハマりっぷり。

光学ファインダー好きということも、このペンタックス機たちとの日々であらためて確信したり。なんか、写真を撮る楽しさの原点に帰らせてもらったみたいな感覚がある。最近の僕の常用カメラは他社ブランドも含めてほぼ光学ファインダー機ばかりになったしね。

デジカメは製品サイクルもはやくて三年くらいで旧型機になったりするけど、一眼レフ機ならそんなこともどうでもよくなるというか。むしろ、クラシックカメラのように古い機種のほうがエモーショナルに感じるから、そういう意味でもいい感じに時間軸を無視できて健やかに過ごせる。

PENTAX K-3 Mark III, HD DA 35mm f2.8 Macro Limited

ただただシンプルに「撮る楽しみ」であり「工夫して楽しむ歓び」に没頭できるような世界がそこにはある。

まあ万人にお勧めする楽しみ方ではないけど、僕のようにフィルムカメラを経たクラシックなスタイルのカメラ撮影を楽しみたい人には、いまこそペンタックス機は独特の刺激を与えてくれるかもしれない。

フィルムカメラを新製品として開発してみようかというペンタックスの野望は、奇抜なアイデアとして唐突に出てきたんじゃなくて、こういう「写真を撮る楽しみの原点」に立ち返ってのこと、という過去と未来の善循環だということも今では分かる。

そして、いま僕の手元にあるKマウントのレンズたちは、そんなフィルムカメラの到来を静かに待っている。時間軸を楽しむとするなら、そっちの時間軸を楽しみたいなと。いやいや、かなり個人的な話になったけど、K-3 Mark IIIを手にして変化したこと、みたいなことを少し書き残してみた。どこかの誰かの参考になれば幸いです。(なるかな笑)

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