PENTAX 17 レビュー

PENTAX 17がもたらす「気づき」のようなもの。

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PENTAX 17

この21世紀の四半世紀も過ぎようかという令和の時代に、まさかの新製品として発売されたフィルムカメラ「PENTAX 17」。そのインパクトは誰しもにとって想像以上だったのではないだろうか。

まず開発したリコーイメージングの方々が「反響は想像以上だった」と取材でも答えられていたし、初期ロットとはいえ予約開始後にすぐ入手困難になるほどな人気で、いまも多くの人が予約再開を心待ちにし、リコーイメージングもその対応に大忙しだろう。

僕がいちばんその影響みたいなものを感じとったのが、YouTubeにアップされたPENTAX 17関連の動画の多さだ。僕なんかはまだ20枚ほどしかシャッターを切れていないが、世の中的にはもう最初のフィルムを撮り終えた人も多く、作例も含めた動画がどんどんアップされているのだ。

その反響は、とにかくグローバルだ。PENTAX 17の動画は、日本国内のものはどちらかというと製品紹介的なものが多い気がするが、海外の人たちはもっとリアルというか「PENTAX 17の楽しさ」を作例も含めてアップされてるように思う(あくまで僕の個人的感想です)。

これまでも話題の新製品カメラについては、海外の人たちの動画なとを頻繁に見かける現象はあったけど、ここまで全世界的にYouTube動画が活況なのは、PENTAX 17が群を抜いてるのではないだろうか。

あと、PENTAX 17登場の影響としては、久しぶりにフィルム撮影を再開する人が見受けられることだろう。それはPENTAX 17を購入したことでフィルムを再開する人もいれば、自宅に眠っていた所有のフィルムカメラを数年ぶりに引っ張り出してきて再開する人までいろいろだ。

PENTAX 17
PENTAX 17
PENTAX 17

もちろん、PENTAX 17が初めてのフィルムカメラの購入で、それこそ初めてのフィルム撮影体験を楽しんでる人もけっこう見かけるし、とにかく世代を超えていろんな境遇の人たちに写真撮影体験に「刺激」を与えているのが、いま、PENTAX 17なのだ。

フィルムは数年前と比べるとたしかにかなり高価なものになったけど、それでもPENTAX 17を契機として冷静に考えると、最新のデジカメなんかと比べるとイニシャルコストは格段に安くすむことにもあらためて気づく。いまや、高性能な最新デジカメは30万円から60万円くらいがボリュームゾーンだったりするからね。

それからすると、ちょっと高いかもと言われるPENTAX 17でも定価は9万円ほど。フィルム購入コストや現像/データ化コストが一本4,000円程度だとしても、それで72枚撮れれば、これはかなりの満足感が得られるんじゃないだろうか。フィルム撮影なら、デジカメのようにはそんな大量にシャッターを切ることもないから。

月に一、二本のフィルムを楽しむ感じなら、イニシャルコストだけじゃなくランニングコストだってそれほど苦になるものじゃないし、趣味にかけるお金としては妥当な範囲ではないだろうか。それでいて、手元に残るのはあのなんともいえない味のあるフィルム写真の思い出たちなのだ。

PENTAX 17の登場は、ハーフサイズカメラにも再びスポットをあてた。たしかにハーフサイズカメラなら、むしろ縦位置写真も二倍撮れることも「今風」じゃないかと、それこそ往年のリコー・オートハーフやオリンパスPENシリーズにも再び視線が注がれている。素晴らしい。

PENTAX 17で撮り終えた人たちの描写の感想などを見てると、現在の技術でフィルムカメラを作ると、こんなに使いやすく写りが良いのか?という人も多い。レンズは現代コーティングの良さもあるだろうし、巻き上げレバーなんかのなめらかさも特筆ものだ。修理体制だけでなく、新品のフィルムカメラが選べるメリットはやはり多いのだ。

PENTAX 17

一方で、昔ながらの写りがいい人は、それこそ往年の中古フィルムカメラを楽しめばいい。購入コストも安く探せるし、なんならこれを契機にフィルムカメラの元祖ともいえるライカのカメラを手にしてもおもしろいし、もっとハマりたい人には中判フィルムカメラの道もある。このあたりの情報を調べるだけでも好奇心が踊り出す。

さらにのめり込めば、自家現像や暗室プロセスをじぶんで楽しんだり、プリントする醍醐味、展示する試みなど、その楽しみ方はなかなか広大だ。人生の趣味としても尽きない写真の世界が待っている。

そんないろんな可能性を今一度、気づかせてくれてるのが、PENTAX 17の登場の数値化できない魅力だと思う。なんなら巡り巡ってデジカメの売上にも好影響を及ぼすパワーを持ち備えてるとすら僕なんかは感じる。

やはりPENTAX 17が世に出たことは、計り知れない可能性を秘めているのだ。ほんと、やりおったなリコーイメージング!といったところ。できれば売上的にもしっかり結果につながり、次のフィルムカメラプロジェクトの製品の進化へとつながっていってほしい。

僕なんかは密かに、ペンタックスの新しいデジカメの進化にも期待してるところだ笑。まあでも、ペンタックスには無理はしないでほしい。身の丈にあった投資とスピードでいいので、この写真界にちょっとおもしろい角度から刺激を与え続けてほしい。そんなペンタックスに僕らは惚れてるから。

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