正確に言うと、サブ的なコンパクトなカメラということで、もちろんメインカメラとして軽やかにミニマルライフを謳歌するのも、かなりカッコいい。
そう、ここで言うサブ的カメラとは、本格的な撮影性能を落とすことなく、でも大ぶりなカメラやレンズよりはすこぶるフットワークよく動き回れるカメラのことを指す。
本格的性能をそのままにコンパクト化したイチオシカメラということでいえば、僕的にはまずFUJIFILM X-E4を挙げる。
実物を手に取ると、写真で見る以上に劇的に小さく軽いことに驚くだろう。
それでいて、ファインダーがあって、FUJIFILM XシリーズのフラッグシップのひとつX-T4とほぼ同じ描写が味わえる、まさに「小さなフラッグシップ」的実力を持った一台だ。
レンズ交換式だから、小ぶりなパンケーキ的レンズを装着すればスナップシューターとして重宝するし、後付けグリップを装着して中望遠以上のレンズを付ければ、じっくり構えて撮ることも可能な万能選手だったりもする。
真骨頂はやっぱりエブリデイカメラとうたわれる、どこにでも持ち出したくなる軽快さだ。
僕なんかは、さすがに街中にはX-ProシリーズやX-T一桁シリーズを持ち出すのは稀で、もっぱらX-E4の出番が多く、日替わりでレンズを変えてはフットワークの軽いストリートスナップを堪能している。
FUJIのコンパクト機といえば、X100シリーズもお馴染みだけど、レンズ交換まで楽しめることを考えると、X-E4を選んでおけば何かと重宝するだろう。
そして、もう一台選ぶとするなら、やっぱりRICOH GRだろう。
何年も、何代にわたってもほぼ不変のそのフォルムと仕様は、スナップシューターとして完成形を成している証とも言え、その成熟度合いはいかにもハイアマチュア好みだ。
ファインダーが無い分だけX-E4よりもさらに軽量コンパクトである一方で、X-E4には無い手ぶれ補正機能をGRIIIから積んでいて、暗所も含めてまさに歩きながら片手で精密に撮れる実力は、もはやスナップシューターとしては敵なしといったところ。
その完成度は、プロの写真家の人たちがほぼ皆さん、サブ機として所有されていることからもうかがえる。
そんな不変のGRが今年、フルサイズ換算で40mmの画角となるGR IIIxを発表した。
GRといえば、フィルム初期のGR21をのぞいてフルサイズ換算で広角28mm単焦点というのがトレードマークだけど、そこにフィルムコンパクト機なんかで多用されてきた40mmという画角のバージョン違い機を投入してきた。
けっこう突然の発表だったから、そう来たか!という感じで驚いた人も多いし、GRシリーズの他とは違う進化の方向性に、やっぱり我が道を行くGRという印象を僕なんかは感じた。もちろん、いい意味で。
カメラを始める時って、いかにもカメラらしい本格的カメラを手にしたくなるから、最初は割と大ぶりなカメラを手にする人が多いと思うんだけど、そのうち間違いなくもう少しコンパクトでいつでも持ち歩けるサブカメラが欲しくなるんだよね。
で、そういうコンパクトなサブ機を手にすると、間違いなくカメラのある日常が変わり始める。
いわゆる「スナップ写真」というものを撮り始めたり、行動半径が広がったり、広角レンズを通した新しい都市のカタチを見つけたり。
とにかく四六時中シャッターを切るということが躊躇なくできることに、ある意味新しい世界を発見するくらいの軽い衝撃を覚える。
それでいて、写りの良さは損なわない描写にも驚いたりで、もうカメラは小さなコイツたちだけでいいんじゃないか、というカメラとの人生の歩み方みたいなものにも影響を与えるくらい、近年のコンパクトカメラたちは優秀だ。
週末カメラも楽しいけど、人生は平日のほうが倍以上の日数がある。そんな平日にコンパクトなカメラでスナップを量産するというのも、また格別の生き方。サブ機だけど、ある意味、人生のメイン機でもあるのだ。
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