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最近、僕はFUJIFILM機のフィルムシミュレーションにあらためてハマってるんだけど、いちばん基本的なフィルムシミュレーションといえばやはりPROVIAとVelviaを思い浮かべるんじゃないだろうか。
僕もこの2つの銘柄はフィルムカメラで撮る時にもおなじみのポジフィルムだから、その親しみも含めてデジカメのフィルムシミュレーションでも、まずはこの二つの銘柄モードで撮ることがこれまで多かった。
でも、実はフィルムシミュレーションが世に送り出された最初の段階から、PROVIAとVelviaと共に搭載されていた撮影モードがある。それが「ASTIA」である。
フィルム時代にポジフィルムで撮影していた人たちにはおなじみの銘柄かもしれないけど、僕は当時はカメラをやっていなかったから、ASTIAがどんな描写のフィルムだったかはイメージがわかない。ちなみに富士フイルムが解説するフィルムシミュレーションの説明にはこう書いてある。
●ASTIA/ソフト:肌色の自然な階調と発色を持ち人物の撮影に適しています。また、霧や雨の中などしっとりとした風景の描写にもご利用いただけます。
なるほどと。主に肌の色を綺麗に表現することをめざしたフィルムシミュレーションなんだね。ちなみにフィルムシミュレーションは正確に言うと過去のフィルムを再現したものというよりは、そのフィルムがめざした描写をデジタル技術でさらに近づけようとした設定らしい。富士フイルムの開発者の方のそんな解説記事を目にして、俄然僕はASTIAの存在が気になり始めたんだ。で、撮ってみたのである、Xシリーズの原点であるX100で。
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最初に撮ったのが、この街中の梅の写真だったんたけど、この一枚でやられたんだよね、このASTIAというフィルムシミュレーションに。この描写こそ、実はPROVIAよりVelviaよりポジフィルムらしいフィルムシミュレーションじゃないかってね。で、次の日にもう少し街中でASTIAで撮ってみたんだ。
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いやあ、なんで言えばいいのかな、とにかくおもしろいと思った。もっと撮ってみたいと思わせるワクワク感がそこにはあった。この感覚って何かに似てるなと思ったんだけど、そう、それこそ初めてフィルムカメラにポジフィルムを入れて撮影した後に、現像からあがってきたフィルムを見たの時のアノ感動だと。
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FUJIのフィルムシミュレーションはたしかにどれも美しい色で撮れることに感動を覚えるけど、PROVIAやVelviaで撮った時もここまでハッとすることはなくて、ASTIAが明らかに他のポジフィルムモードとは違うと感じたんだよね。これは、僕的にはけっこう大きな発見だった。
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まあ本来はポートレート撮影に向けて用意されたフィルムシミュレーションなんだろうから、こうして街撮りスナップで使用することが特殊なのかもしれないけど、僕自身は街中=ASTIAは大いにアリなんじゃないかと思った。ASTIAで自然を撮ることはあったんだけど、街中もいけることに気づけたのはなんかしみじみ嬉しかったなあ。
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なんか一人で勝手に感動していて恐縮なんだけど、カメラの楽しさはこういうところにあると思っていて、特に路上は偉大な実験場というか、こういう気づきや発見が実に楽しいんだよね。僕の腕前では特に感動的な写真は撮れないんだけど、いいのいいの、じぶんではこうやってカメラと写真の描写をいろいろテストする感じがめちゃくちゃ楽しいの。たかが趣味だけど、されど趣味でもある。カメラとはその極みだと思ってる。