FUJIFILM X-Pro3

〈レビュー〉なぜ僕が今さらFUJIFILM X-Pro3を選んだのか、について。

FUJIFILM X-Pro3, DR Black

タイトルに「今さら」と書いたのは、ネガティブな意味ではなくて、このカメラが発売されてもう一年半ほど経過していることを意味する。そう、このカメラのコンセプトなり楽しさを欲している人は、もう概ねみんな手に入れ終えた時期と言えるかもしれない。そんなタイミングで、なぜ僕がこのFUJIFILM X-Pro3を手に入れるに至ったのかを少し書き残しておこうと思う。

とは言え、言いたいことはいろいろあって、まず何から書き出せばいいだろうか。まず、僕の富士フイルムのカメラの所有歴から話せばいいかな、話の前提みたいな意味として。

僕が初めて富士フイルムのカメラを手にしたのは、FUJIFILM X-E2を中古で手に入れたのが最初。この頃はフィルムもデジタルもとにかく街撮りスナップが楽しくなり始めた頃で、フィルム機は主にバルナック型のLeica IIIaとLeica M3、デジタル機はLeica M-P typ240を使っていた。でも、平日の街中でM型ライカは少し重たいし、もっとラフに扱えるファインダー付きのミラーレスカメラが欲しいと思ったんだよね。オールドレンズを楽しむためのお手軽カメラという認識だった。

X-E2はフィルムシミュレーション「クラシッククローム」で撮ることができて、かなりハマったかな。レンズはジュピター8やインダスターなんかをつけて、それこそガシガシとタフに使える感じがおもしろかった。で、もう少し富士フイルムのカメラの本格感も味わいたいと思うようになり、やはり中古でX-Pro1を購入した。いま所用しているX-Pro1とは別で、僕の第一次X-Pro1期だね笑。そう、その後、手放しちゃうんだよね、X-Pro1を。理由は、Leica M-P typ240のようにはMFのオールドレンズを楽しめなかったから。そう、フォーカスを合わせることの違和感ね。

Fujifilm X-E2, Jupiter-8 50/2

M型デジタルライカやX-Proシリーズを使ったことのある人なら分かると思うけど、一見同じようなスタイルに見えるこの二つのカメラだけど、実は決定的に違う点がある。それは、光学ファインダー(OVF)で撮る時のピントの合わせ方の違いである。ライカのほうはいわゆるレンジファインダーで素通しのガラスのファインダーの中に浮かび上がる二重像を合わせてピントを合わせる。これに対してX-ProシリーズはEVFでは問題なくピント合わせできる(通常のミラーレスカメラと同じ)けど、OVFに切り替えて撮る場合はレンジファインダー機では無いからMFレンズの場合だとピントの合わせようが無いのである。正確にいうと目測なら撮れるし、ピントを合わせたい部分を拡大表示する方法で撮ることはできるけど、これが僕にはとにかくまどろっこしく思えた。つまり、「だったらM型デジタルライカでいいじゃん」と思ったんだよね。で、僕は一度FUJIFILMのカメラたちと別れ、主に街撮りスナップはM型デジタルで撮り続けることになる。

それから3年ほどM型デジタルライカで撮りまくったかな。以前のブログとかTwitterを見てくれていた人の中には、僕は「ライカ(とニコン)の人」という印象が強いと言われることが多かったくらいなので。そんなライカとニコンの僕にある日、転機が訪れる。FUJIFILM X100Vとの出会いである。そう、OVFでは撮りたいけど、とにかくM型デジタルは街撮りには重たいと感じていた。年齢のせいかもしれないけど、もっとライトに持ち出せるカメラらしいカメラを僕が求め始めていたのである。

「カメラらしい」というのは、もっとストレートに言うと「フィルムカメラのように撮れるカメラ」のことである。それはクラシックなカメラのフォルムの話だけじゃなくて、撮れる写真の質感もネガフィルムのような質感で撮りたい。それは、年々高騰するフィルム価格の代わりになるものを求めていたこともあったと思う。そんな思いの僕に、OVFにも切り替えられるハイブリッドビューファインダーで最新のフィルムシミュレーション「クラシックネガ」で撮ることができる軽量コンパクトなX100Vがずばり刺さったのである。

FUJIFILM X100V ブラックボディ

実際、X100Vとの日々は最高という他ない。僕の中で重く大きいと感じていたM型デジタルライカやフルサイズミラーレスのNikon Z6らに別れを告げ、僕は一気にこのAPS-CのFUJIFILM機へとシフトしていったのである。話はとても長くなったけど笑、現在、僕のFUJIFILM機のラインナップはX100V、X100初代、X-Pro1(買い戻し)、X-T2、X-M1、X-E3、X-E4と、まさにFUJIFILM一色に様変わりしたのである。Twitterでお世話になっている昨日カメラさん曰く「フジ狂い」と言われたけど笑、まあそう言われて反論はできない笑。

FUJIFILM X-E4 and X100V

で、ようやく本論のX-Pro3の話だけど、FUJIFILM使いの延長線上で単純にこのカメラが欲しいと思ったわけでもない。というか、僕はFUJIFILM機をコレクションしてるつもりもない。ただただ、じぶんの使いやすさや心地よさでカメラを選んでいった結果、FUJIFILM機ばかりになったという感覚のほうが近いのである。それには、AFフジノンレンズの存在が大きいと思う。そう、MFレンズを使ってる時に一度は断念したOVFで撮るFUJIFILM機の使い心地の悪さを克服したというか、AFレンズで撮ることでFUJIFILM機たちは生きる!と再認識したのである。いや、むしろ、OVFでAF撮影ができる凄さにあらためて軽い衝撃を受けたのである。

ここ最近はほんと、OVFでAF撮影するのにX-Pro1を持ち出すことが多くて、週末はX-Pro1とまったり撮ることでずいぶん癒されてた。X100VやX-E4よりは大ぶりだけど、それでもフルサイズのカメラたちと比べると劇的に薄く小さく軽い。どうやら僕は、デジタルライカやニコンフルサイズミラーレスなんかを経て、このFUJIFILMのサイズ感というかカメラらしさの提唱の世界へたどり着いたんだな、という思いが凄くあったんだよね。だとしたら、これからしばらく長く愛せる本格的カメラが欲しいと。そうやって、今さらながら思いを巡らしたのが、X-Pro1から脈々と進化した現在のフラッグシップ機のひとつ、X-Pro3だったんだよね。

FUJIFILM X-Pro3

他のFUJIFILM機も所有しているなかで、本当にさらにもう一台手にする必要があったのか?というのはあるけど、そこはもう一つ理由があった。それは、このちょっとクレイジーなX-Pro3の代のカメラを今のうちに手に入れておきたいということ。そう、背面モニターが無くて(実際には、無いのではく、隠しモニターになっている)、その代わりに背面に小窓モニターでフィルムシミュレーション銘柄が表示される、あの唯一無二の遊びごころである。

FUJIFILM X-Pro3

これ、みんなも感じてると思うけど、たぶん後継機ではまず間違いなく背面モニターが復活すると思うんだ。だって、あるとやっぱり便利だからね。X-Pro3はX-Pro2以上にとんがった製品になっちゃったから、きっとセールス的にはもう少し万人向けの製品に戻る気がしてるんだ。でもね、僕はやっぱりとんがってるX-Pro3がいい。そこには、富士フイルム開発陣の人たちの突き抜けた思いが詰まってると思うんだ。僕は便利さよりも、そういう熱さに裏打ちされた「写真を撮る行為の楽しさ」を優先する。だから、X-Proシリーズの現行機が欲しかったわけじゃなく「X-Pro3」が欲しかった。わかってもらえるだろうか、このへんてこりんな感覚(笑)。

背面の小窓のフィルムシミュレーション表示
背面の小窓のフィルムシミュレーション表示

でも、今朝それこそ、撮影後の写真の確認表示をオフにして撮り歩いた感覚としては、いやあ、ほんと楽しかった。撮ったその場でいちいちモニターを見ない行為は、想像以上に気持ちいいリズムを生み出す。そう、フィルムカメラで撮るあの心地いいリズムだね。小窓を見ながらフィルム(シミュレーション)を入れ替える感覚も、まさにフィルム撮影らしさが思った以上にあって、これはやはり国内唯一のフィルム販売会社だからできるデジカメの考え方だと再認識した。

なぜ、背面モニターを隠すことにしたのか、そしてなぜチタンを擁してこだわり尽くされた製法に至ったのか等々は、僕の陳腐な文章よりも、おなじみ富士フイルムの上野隆さんとギズモードさんの動画なんかがわかりやすいから、ぜひそちらを観てほしい。いや、もうカメラ好きの匂いと思想が溢れ出ていて感激すると思うよ。

というわけで、なんか上手く語れたかというとちと不安だけど、なぜ僕が今さらX-Pro3を手にするに至ったのかを書いてみた。実際使ってみての使用感とか作例みたいなものは、また次の機会に載せたいと思う。なんか、もう僕自身がここまで書いてきてお腹いっぱいだから笑。

さて、きょうは仕事もオフ。お昼にもう少し撮り歩いてくるかな。だって、無性に癒されるんだ、このカメラらしいカメラX-Pro3とシャッターを切ってるとね。

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