FUJIFILM X-Pro3

背面モニターをオフにして、マニュアルで撮るのも楽しいよ。

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FUJIFILM X-Pro3, XF 35/1.4R

といいつつ、デジカメの便利さは「撮ったその場で写真を確認できること」だから、僕も四六時中、背面モニターをオフにしてるわけじゃない。マニュアル撮影にしても常にそうしてるわけじゃなくて、大抵は感度オートにして絞り優先で撮っていたりする。

でも、たまに背面モニターをオフにして、尚且つ感度もシャッタースピードもマニュアルで撮りたくなるんだな。そう、フィルムカメラの撮影所作とまったく同じリズムで。

当然、撮れた直後の写真は見ないから、その場で撮り直すこともないし、モニターの写真を見ながら各種設定を調整することもない。とにかく露出(しかも僕は面倒くさがりなんで、露出計は使わずに体感露出)を決めたら、あとは構図とシャッターボタンと対話するだけ。これが、実に煩わしくなくて軽快なのだ。

フィルムカメラと比べるとデジカメはラティチュードが狭いから、露出を外すとオーバー気味とかアンダー気味の写真にすぐなっちゃうし、それに気がつくのも帰宅してSDカードリーダーでデータを取り込んでからだから、露出に失敗すると撮り直すこともできない。

まさにフィルムカメラの現像と同じで、現像からあがってくるまでは、ちゃんと撮れてるかどうかは分からないのである。でも、それによる撮影時の潔さみたいなのはなかなか気持ちいいものがあって、たまに無性にそうやって撮りたくなるのだ。

FUJIFILM X-Pro3

光学ファインダーのカメラなら、EVFのミラーレス機のように撮る時に仕上がりが掴むこともむずかしいから、どちらかといえば光学ファインダー機のほうがおすすめだが、ミラーレス機にしたって背面モニターをオフにするか撮影直後画像をいちいち見ないだけでも、けっこう新鮮な気持ちになれるはずだ。

もちろん、失敗が許されない撮影の時は、背面モニターオフだのマニュアル撮影だのしていては危険すぎるけど、休みの日なんかで時間にゆとりがあるときは、あえてこうした「不便」とか「不確か」な状況にして曖昧な仕上がりの写真を楽しむことは、想像以上にいい気分転換になる。

もう、写真撮影というよりは「実験と科学」の時間のようなものだけど、そういう不確かなことに人間は惹かれるのである。そして不確かな撮影だからこそ生まれる「ゆらぎの一枚」みたいなものが案外撮れたりするのだ。

デジカメの、しかもミラーレスの時代にやることじゃないのだろうけど、僕はこれ、けっこうおすすめする。なんかデジカメ撮影がマンネリしてるなと思う人は、ぜひ一度試してほしい。そのシンプルな撮影リズムが妙に癖になるし、想定外の一枚が撮れたりして脳みそが刺激されると思うなあ。

◎最初から背面モニターが無ければ、そもそも撮影直後の写真を見ようが無いから、Leica M-D系は最も潔い思考のカメラでもある。デジカメをそれ一台だけにするのは、なかなか勇気がいるけども。

僕の場合は、X-Pro3やX100Vで背面モニターをオフにする場合は、フィルムシミュレーションをブラケット撮影にセットして、3種類の写真を残すことでさらに写真のゆらぎを楽しむようにしている。

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