いや、いまさらなんだけど、FUJIFILMユーザーにはおなじみの「ハイブリッドビューファインダー」のことである。
FUJIFILMのカメラを使ったことがない人でも、カメラ好きな人ならOVFとEVFが簡単に切り替えられる機構があることはなんとなく知っていると思う。
このハイブリッドビューファインダーはXシリーズの初号機X100に初めて搭載された後、レンズ交換式のX-Pro1にも採用され、FUJI機の中でもこの二つのシリーズだけで楽しめる機構だ。
X100シリーズもX-Proシリーズもレンジファインダーではないから、厳密に言えば素通しのガラスのOVFではピント合わせがAFか目測になるんだけど、それでもパンフォーカス気味で撮るならOVFが視界的にやっぱり気持ちいい。
僕は積極的にOVFを使っているわけだけど、じゃあEVFはどういうシチュエーションで切り替えて使うかというと、ピントを正確に追い込みたい時である。
例えば寄りのマクロ撮影的に撮る時なんかは、EVFに切り替えればいわゆる普通のミラーレス機のように使える。あとはマニュアルフォーカスのオールドレンズなんかを使う時も、ピント合わせはEVFということになる。
正確にいえば、さらにLV、モニターを使ったライブビュー撮影もできるんで、シチュエーションに合わせて実に多様な撮り方ができるのである。
ハイブリッドビューファインダーといってもほぼ常時EVFでしか使っていない、という人もけっこういるみたいで、それはそれで優秀なミラーレス機として普通に使える。
でも、ハイブリッドビューファインダーのOVFがユニークなのは、ただの素通しガラスではなくて、そのガラス面上にピント合掌点や各種撮影情報が液晶的にのっかって表示され、ちょっと未来的というか、いかにも21世紀のOVFらしいこと。
あと、OVFで撮った直後に、そのファインダーの中にEVFで撮影後画像がすぐ映し出されるのも、考えようなよってはとても未来的だ。(もちろん、撮影後画像が出ないような設定もできる)
僕も以前はM型デジタルライカでOVF撮影を楽しんでたけど、ライカはなかなか維持するのも大変なんで、いまは手軽で故障の際もそれほど心配いらないFUJI機で撮るようになり、ようやくFUJI機のOVF機構にも慣れてきたかなというところ。
やっぱり慣れるとね、ハイブリッドビューファインダーは便利というか、クラシックなOVF撮影とモダンなEVF撮影が合体した、それこそ楽しみ方が広がる感じがあって実におもしろい。
たまにEVF機構のみのX-E4で撮ってると、電源OFFの状態だとファインダーが真っ暗なんで、撮影して歩いてる時にオートオフになっていて、さっとカメラを構えた時に視界が真っ暗なんで驚いたりする笑。
僕の場合はフィルムカメラで撮っていた要領でデジカメを使っているところがあるから、基本はOVFで使えることにすごく安心感というか慣れを感じるんだよね。
で、いざという時はEVFにも切り替えられるし、LVでも撮ることができる。よくよく考えると、FUJIFILMのカメラはよくできているなと思うのである。いまさらだけど笑。
FUJI機はフィルムメーカーならではの「色がいい」とよく言われるけど、僕は色はもちろんなんだけどフィルムシミュレーションという思想とか、カメラを「楽しむ」という発想のやんちゃさとか遊び心みたいなのが好きかな。
ライカと比べると、純正のレンズたちも当然安く楽しめるんで、気分的にもラフというか力を抜いてスナップに向かえるようなところもある。趣味のカメラとして、よくできてるなと思うのである。
あと、これも秀逸だなと思うのは、FUJI機を使ってると、APS-Cとかっていうセンサーサイズのことも意識しないじぶんがいること。手の中の収まり具合がフィルムカメラと同じようなサイズ感覚であることもあり、感覚的にはフィルムカメラ(つまりフルサイズ)で撮ってると思ってる笑。
いやあ、クラシックな感覚とモダンな感覚を実に巧妙にミックスして、僕ら写真好き、カメラ好きの好奇心を満たしてくれる。いかにも写真好き、カメラ好きが作ったおもしろがれるカメラだなと思う。
そういえば、気のせいか、Instagramにカメラの写真を載せると、海外の人にはFUJI機たちが特に人気があるような気がする。フィルムカメラの写真より断然、FUJIFILMのカメラたちのほうが好評のようで、やはりクラシックとモダンのハイブリッド感がウケてるのかなと感じている。
いや、単純に考えれば、他のメーカーのカメラたちもみんなハイブリッドビューファインダーにすればいいのに、と思うけど、そこはやはり特許とかいろいろ事情が絡むのかな笑。
というわけで、きょうは富士フイルムのカメラはいろいろハイブリッドな感覚が味わえて楽しいよ、という話でした。