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背面モニターが無くて、代わりに独特の小窓モニターを採用した風変わりなカメラと見られがちなFUJIFILM X-Pro3だけど、実は背面モニターが無いわけではなく、内側に隠しモニターが存在する。
FUJIFILMではこれを「Hidden LCD」と呼んでいる。Hiddenとは直訳で「隠し」の意味で、液晶画面を裏(内)側に配置した下開きのチルト式モニターのこと。左右には動かず、下方向にだけ約180°開いて使う、X-Pro3にしかない唯一無二の仕様だ。
よく言われる通り、この仕様になっている最大の理由は「撮った直後にいちいち背面モニターを確認せずに、ファインダーをのぞいたまま連続的にスナップ撮影を楽しもう」という理由からだけど、意外とこの隠しモニターがあることで重宝する。
ひとつは、メニュー画面操作をモニターでできること。背面モニターが無いカメラとしてはライカM-D系が代表格だけど、X-Pro3の場合は隠しモニターは存在するので、メニュー操作そのものはスマホを兼用せずに操作することができる。
そして、もう一つ良いと思えるのが、意外と地面を撮りやすいこと。一枚目の写真のように、隠しモニターを開くと地面と近い位置でモニターが水平になる。これは僕が思うだけじゃなくて、他のX-Pro3ユーザーさんからもたまに聞く感想なので、使ってみて気づく意外なメリットなんだと思う。
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地面なんてそう撮るものなのか?と思われるかもしれないが、少なくとも僕はよく撮る。散歩で道端を撮る時に、季節感が出やすいのは花びらが枯れ葉が地面に散った様子なのもあって、散歩に出ると必ず数枚は地面を撮るのだ。
街中ではそうやって地面スレスレに構えることは少ないけど、まわりに人がいなければストリートでもそうやって撮りたいという思いが僕なんかはある。
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なんかこうやってローアングルの写真ばかり並べると変な人のような感じだけど、空や草木に混じって数枚ほど地面の写真も押さえておくと、後から写真を見直した時になかなか季節感が滲み出ていいものである。
とはいえ、隠しモニターがあっていいなと思うのは、やはりメニュー画面操作の面が大きいかな。背面モニターを撤廃したのではなく、使おうと思えば使えるという隠しモニターの採用は、富士フイルムのある意味良心であり、マーケットニーズに対するほどよい落とし所なのかもしれない。
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X-Pro3はたしかに万人向けというより多少クレイジーなカメラだとは思うけど、ゲテモノではないということ。特に光学ファインダーをのぞいてフィルムカメラの所作で撮ることを厭わない人なら、なんら普通に撮影が楽しめるカメラなのである。
もちろん、EVFでも撮れるX-Pro3は最新のミラーレス機であることには変わりなく、そのクラシックなルックスも含めて所有する満足感も高いと思う。
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まだ、少し高価な面はあるけど、これ一台で街撮りスナップから散歩カメラまで、レンズ交換も含めて幅広く使いこなせる、実にほどよいサイズのカメラでもあるので、これ一台でじっくり写真ライフを楽しむというのもアリだろう。
カメラはなんでも言えることだけど、制約がすべて使いづらさというわけではなく、制約があったらあったで、それを他では味わえない特徴として使いこなす楽しみもある。
X-Pro3にしか撮れない写真というのもあるなと、最近思っているのである。