理由はひとつではないのだけど、個人的にいちばん大きいのは「光学ファインダーで撮れる」ということ。最近のカメラがミラーレス主流となり軒並みEVF化するなかで、いまとなってはかなり貴重な存在なので、なかなか手放せないなあという感じ。
EVFもかなり進化してるんでそう気にしなくていいのかもしれないけど、やっぱり電気的なスクリーンを見ながらじゃなくて、美しいガラス越しの自然な光景を見ながらシャッターを切りたいという気持ちがどこかある。
そうした時に、僕のスナップ向きなデジカメの中では、このX100VとX-Pro3、そしてレンジファインダーのLeica M8が光学ファインダーで撮れるカメラで、特にいちばんコンパクトなX100Vはストリートや旅先での出番もいちばん多い。
その絶妙な仕様のせいか、中古価格も高騰していて、下取り価格もかなり高い。そのため、新しいカメラを入手する際にX100Vを下取りに出すことを毎度それとなく検討するのだけど、結局のところ唯一無二のカメラだと思い至り、手放すに至っていない。
もちろん、デザインの良さやほどよくコンパクトなサイズ。あと撮れる描写など気に入っている点は多々あるんだけど、たぶんX100VがEVFオンリーだったら、僕はやはり新しいカメラと入れ替えで手放していたと思う。
X100VはEVFとOVFが切り替えられるハイブリッドビューファインダーなんだけど、レンジファインダー機ではないのでOVFでは二重像を合わせてピントを合致させることができない。
その代わりに寄りの写真でピント合わせする時はEVFに切り替えたり、OVFの右下に出てくる拡大画像を見ながらピントを合わせるのだけど、パンフォーカスで撮る時はOVFでほぼいけてしまうので、その気持ちよさはやはり大きい。
そんなこんなの理由から、僕はX100Vがずっと手放せないでいるのだ。まあ、そもそもカメラは壊れでもしないかぎり買い換えたくはない人間ではあるので、こうして一度溺愛したカメラをずっと手元に置いておけるというのは、カメラ好きにとっては幸福なことなんだけど。
今年はどうやら、X100シリーズも後継機が出るのではという噂もある。X100シリーズを使ったことがある人なら、この光学ファインダーがあることの気持ちよさは分かると思うんだけど、まだそのファインダーをのぞいたことがないという人は、ぜひX100Vやその後継機の実機を触ってみてほしい。
本当はその実機でストリートに出て試し撮り体験してみるのがいちばんなんだけど、まずはミラーレスなんだけど光学ファインダーがのぞけるというその体験を、ということで。
カメラらしいデザインの良さとか感激するポイントは多々あるんだけど、光学ファインダー体験はなかなか軽い衝撃があると思う。
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