レンズ一体型のコンパクトなFUJIFILM X100Vは、僕の平日の街撮りスナップのメインカメラ。同じようにコンパクトはFUJIFILM X-E3やOLYMPUS PEN-Fも平日向けのスナップシューターだ。
一方、週末は郊外の静かな場所でゆっくり構えて撮れるから、もう少し大ぶりなFUJIFILM X-Pro1やX-T2、Nikon Dfなんかを持ち出すことが多い。そう、なんとなく平日用と週末用とでカメラを使い分けている感じなんだよね。
けれど、そんななかで、このX100Vについては、平日だけじゃなくて週末も出番があったりする。なぜか?、それはフィルムシミュレーション「クラシックネガ」で撮れるから。
僕の所有するカメラの中では、唯一このX100Vだけがクラシックネガで撮れるボディ。というか、クラシックネガで撮りたかったからX100Vを購入するに至ったんで、そこは単純にボディの大きさで使い分けるというよりは、「クラシックネガで撮りたい時に持ち出すカメラ」ということになるわけで、そうすると週末でもクラシックネガで撮りたい時は出番がやってくる。
かといって、クラシックネガ一辺倒で撮りたいわけでもなくて、時にPROVIAでも撮りたいし、クラシッククロームでも撮りたいし、PRO Neg. StdでもACROSでも撮りたいわけ。そう、その日の気分でフィルムの銘柄を入れ替えるように、フィルムシミュレーションを入れ替えて撮るのが楽しいわけです。
だから、最近は「フィルムシミュレーション」ってよく出来てるなとあらためて感心してる。そう、フィルム時代の良さは写りの描写もそうだけど、こうしてフィルム銘柄を入れ替えるあの感覚もまた楽しくて味があったわけで、僕は富士フイルムが現代に提供してくれるその所作にすっかり魅せられている。
かといって、それはフィルムに対する妥協したものではない。フィルムの感覚を求めてはいるけど、フィルムでもない、これまでのデジタルもない、ある種、第3の世界みたいなカメラの楽しみ方なんじゃないかと考えている。最近、僕の使用するカメラがFUJI機が多いのは、軽量コンパクトであることと同時にそんなことも大きく作用している。
デジカメの描写の世界は、いわばポジフィルムの描写を継承してきた世界だとするなら、そうした日常の中にネガフィルムの世界をまぜて楽しむことができるのが「クラシックネガ」の最大の魅力だと思ってる。とはいえ、まだまだクラシックネガで撮り始めて3ヶ月ほどなんで、もっともっとシャッターを切ってその奥深さを探究したいと考えている。幸い、べらぼうにシャッターを切ってもフィルム代や現像代はかからないからね。
(クラシックネガ機を一台ということなら、いまなら、X-E4がおすすめなのかな)