FUJIFILM X100VあいかわらずFUJIFILM X100Vが人気のようだ。そろそろモデルチェンジしようかというタイミングなのに、なぜいまだにそこまで人気なのか。それは、いかにもカメラらしいデザインと佇まいなのに、とてもラフに使えそうな点じゃないかと思う。
実際、僕の場合なんかでも、「さあ、撮るぞ」という意識の時はレンズ交換式の「撮った感」が割と濃密なカメラを持ち出す。けれど「きょうは人と行動を共にするんで、あまりゆっくり構えて撮る暇はないぞ」という日なんかは、とりあえずX100Vを持っておくといった使い方。
いちおう持ち歩いてはいるものの、そこに変な気負いがない感じがとても心地いいのである。
と言いつつ、だからといってコンデジならなんでもそうかといえば、そういうわけでもない。X100Vは、レンズ交換できないコンデジでありながら、その大きさや重さはいかにも本格的カメラであることが、所有感と実用性を満たすバランスとして絶妙なのである。
FUJIFILM X100Vコンデジというには比較的大きなボディサイズのX100V。それはおそらくハイブリッドビューファインダーを採用しているため、物理的にある程度大きなサイズになっているんだと思うけど、結果的にはその大きさがカメラらしさにつながっている。
たとえカメラが好きでも、四六時中、大きく重いカメラを持参するのは案外大変だ。日常のなかでふと思い立った時に気楽にシャッターを切ることができるラフさを求めている人は、けっこう多そう。いや、むしろそういうライトにカメラと過ごしたい人のほうが大半だろう。
洋服に例えると、スーツなどの正装というよりは、ジーンズにTシャツのような身軽さが心情なのが、このFUJIFILM X100V。いかにもカメラマニア的な匂いがなく、ライトに日常に寄り添ってる感じが、必要以上にカメラを目立たせたくはない層の人たちに支持されているのだろう。
FUJIFILM X100Vそれでいて撮れる写真の質感でいえば、上位機種のX-Pro3なんかと実質変わらないわけだから、人気なのもうなずける。そして、この本格さと気楽さを両立したカメラは案外他には見当たらない。なかなか絶妙なポジショニングのカメラなのである。
その絶妙さ加減が、TikTokなんかのおかげもあって、ジワジワと多くの人にバレてきた。バレてきたとは変な意味じゃなくて多くの人に知れ渡ってきた、というのが品薄が続くほどの人気っぷりにジャブのように効いてきたといったところじゃないだろうか。
性能的にもある意味、熟成の域に達した完成形のようなカメラなんで、これひとつあれば日常スナップで困ることはほぼ皆無だろう。もし、運良く実機に触れるタイミングがあれば、ぜひその絶妙なバランス感を確かめてみてほしい。きっと、その人気の秘密みたいなものが、実感できるのではないかと思う。（人気ゆえ、ちょっと価格の高騰がネックではあるけど。）
僕個人的には、スナップすることにおいてはX-Pro3よりも優秀で心地いいと思うんだけど、どうだろう。ちょっと誉めすぎだろうか。
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