FUJIFILM X100V

たぶん、X100V一台だけでも困らないだろうね。

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FUJIFILM X100V

ここにきてFUJIFILM X100Vが品薄だ。Twitterなんかを見てもなかなか在庫が無いと目にするし、予約して数ヶ月待ちという人も見かけた気がする。世界的な半導体不足によるところが大きな要因なのだろうけど、その人気が相変わらずであることも品薄の理由なのだろう。

実際、X100Vは素晴らしく優秀だ。そのカメラらしいフォルムは第五世代の「V」になってよりモダンにリファインされ、クラシックなんだけど新しいという独特の存在感を放つ。10年前に世界を驚かせたOVF(ガラス素通しの光学ファインダー)とEVF(電子ビューファインダー)が切り替えできる機構は成熟味を増し、撮影フィールも申し分ない。

レンズはフルサイズ換算で35mmの固定式であるものの、実際はレンズ部を回転させることで50mmと70mmでも画素数をあまり落とすことなく撮影することができ、X100V一台だけで出かけても困るシーンはほぼ無い。むしろ、軽量コンパクトな部類のカメラ一台でずっとスナップし続けることで、写真に一貫性と工夫が生まれる。

僕の場合は、シャッター音も嫌いじゃない。いや、むしろクセになっている。レンズシャッターでほぼ無音のX100Vは、電子音で撮れた感覚を確認する(もちろん無音のままでも撮れるけど)。そのチッ!チッ!という電子音が最初は馴染めない人が多いが、スナップカメラとして使っているとその感触が適切であることに気がつくというか、違和感を感じなくなる。そこまで計算されているとしたら、凄い設計思想だと思う。

とにかくバランスに優れているのである。値段はコンデジとしては高めだけど、その仕上げの綿密さやF2のフジノンレンズがついた価格であることを考えると妥当な値段であると思えるし、一度手にしたら手放さない人が多いためか、中古市場も品薄気味な気がする。分かる人には分かる、そんな一台として評価されてるカメラと言っていいだろう。

僕自身は、X100Vの後によりコンパクトなX-E4、より本格的なX-Pro3を手にしたんで、物理的にいえばX100Vは無くてもいいはずなんだろうけど、このカメラらしさのすべてをバランスよく凝縮したX100Vは手放しがたく、いまでもRICOH GRと並んで代わりのきかないスナップシューターのひとつになっている。

いい意味でこれ見よがしにならないミニマルでスマートなカメラが良いという人には、まさにぴったりの一台。少し時間がかかっても予約して到着を待つだけの価値があるカメラだろうし、なによりX100Vと暮らし始めると、日常の中にモノとしても撮れる写真としても、華が出るというかクリエイティビティが添えられることだろう。

写真を撮ることを、仰々しくなくシンプルなかたちで楽しみたいという人にこそ良く似合うX100V。こういうカメラが存在することが実に粋だなと僕なんかは思う。

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