FUJIFILM X-T50 レビュー

X-T50は、FUJIFILMの羊の皮を被った狼的カメラ。

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FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC

である、と断定までしてしまう言い切りは僕の個人的独断ではある。しかし、このカメラをたまに持ち出すたびに「派手ではないけど、実にいいまとまりだ」といつも感じる。プロダクトが内包する「ジワジワとくる迫力」みたいなものがあるのだ。

見た目はいかにもFUJIFILM Xシリーズの写真機でありながら、左右の円形的な処理や台形的デザインによって、クラシックな中に少し可愛さのようなものを感じる。

それゆえに、あまりゴツいカメラを持ちたくない女性にも支持されているように思うが、その中身は過去記事でもふれてきたようにフラッグシップ機並みの高機能・高性能機だ。

FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC
FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC
FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC

X-Tシリーズでいうと、X-T30IIIとX-T5の間に位置するラインナップ構成であるが、性能的にはフラッグシップ機のX-T5寄りと言える。X-T5と同じ高画素機であり、手ぶれ補正も有する。分かりやすくいえば、最新のX-E5と同じで、従来機よりもワンランクかツーランクほど性能が高められている。

防塵防滴性能と耐低温性能は省かれ、記録メディアもシングルスロットではあるが、その分、絶妙な小型軽量サイズに収まっている。僕の場合だと、ひどく悪天候の時は防塵防滴のX-T5を持ち出して使い分けているので、ふつうに出かける時はX-T50でまったく事済むのである。

見た目は控えめだが、グリップ性も実はけっこういい。同じく控えめなグリップのX-E5には、僕は革ケースをつけて持ちやすさを高めているが、X-T50はケース無しで素のフォルムのまま使っている。当然、革ケースがないほうがより軽量コンパクトであるから、そういう意味でも完成形デザインと言える。

FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC
FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC
FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC

シャッターフィールも小気味よく軽快だ。X-T5がソフトシャッター的で、X-E5もややマイルド系にチューニングされたシャッターなのに対し、X-T50はX-E4時代のようにカチッと分かりやすく決まる感覚がある。写真機的なシャッターフィールでいえば、この感触を好む人も多いと思う。

僕はX-E5も使っているが、性能面だけでいえばそのタイミングでX-T50と入れ替えてもおかしくなかったが、なんだかんだでX-T50のフィーリングが気に入って、共にじぶんなりに使い分けながら共存して楽しんでいる。まあつまり、すっかり手放せない一台になってしまっている。

最初は、X-T5とほぼ同じ中身なのに、あえてX-T50というポジションのカメラがラインナップに必要なのだろうか?と思ったものだ。しかし、実物といざ対面してみると、その絶妙なコンパクトさとフォルムの存在感は独特で、思わず一目惚れして連れて帰った一台だ。同じような惚れ方をしてしまった人は多いんじゃないだろうか。

FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC
FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC
FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC

価格的にファインダー像や背面モニターのスペック数値はもっと高くあるべきという声も耳にするが、実際に使っていてそこに不満を覚えたことも特にない。単なるスペックではない体感的な質が上げられているんじゃないかな。全体的に成熟期にあるミラーレスの基本性能は、もうどのカメラも不満ないレベルにあると言っていいと思う。

X-T50とX-T5で、どちらがサクッと持ち出したくなるかといえば、僕の場合だとそれはやはりX-T50ということになる。意外とそのひとまわり軽量コンパクトなサイズであることの影響は大きい。日常スナップ機としての真骨頂の部分とも言えるからね。

FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC
FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC
FUJIFILM X-T50, Nokton 23mm f1.2 SC

こういうラインナップの隙間ともいえるポジションをしっかり埋めてくる感覚は、ある意味FUJIFILMの良心なんじゃないかと思う。X-T30IIIがあって、X-E5やX-T5もあって、そのうえであえてその隙間にあたるポジションにも最適解を用意してくる。このあたりはマーケティング的視点というより、僕は開発陣のこだわりだと感じている。

そういえばまだX-T50をしっかり確かめたことないなあ、という人は、ぜひ一度お店で実機をさわってみてほしい。想像以上に「なんだ、いいなこれ」と感じるんじゃないだろうか。僕はこれ、羊の皮を被った狼的な隠れた名機だとも思っている。




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