FUJIFILM X half

カメラは写真を撮る道具で、主役は写真というのはその通りなんだけど、どうせなら写真を撮っているその瞬間までも楽しめれば、なお最高というのはあるよね。

で、デジタル時代についていえば、スマホカメラの性能もあがり、それによって本格的カメラの性能もさらにあがるなかで、もうどのカメラで撮っても基本性能的にはそれほど差がない。

だったら、あえてアナログ的なちょっとローファイでエモいと感じられる質感の描写や、撮影体験そのものをユニークに感じられる価値みたいなものに目を向けてみようか、というのは僕なんかは個人的にとても豊かな方向に感じられる。

FUJIFILMのX halfやinstax mini Evo  inemaなんかにそういうトライを感じるし、きょう開幕したCP+ 2026でキヤノンが参考展示したウエストレベルファインダーのデジタル機なんかもとてもいいなあ、と感じる。

instax mini Evo Cinema

キヤノンさんの話では「クラシックなデザインをめざしたんじゃなくて、撮影体験を追求した結果としてこのスタイルに行き着いた」とのことらしい。昨今のヘリテージデザインブームみたいな「さらにその先」に舵が切られた印象を受けて、それもまたおもしろくなってきたと感じる。

カメラのデザインって、デジタルになればかなり自由度があがり、なにもアナログ時代の形を踏襲しなくてもいいのではと思いつつ、撮影体験を追求すると、結果としてアナログカメラ的な形になるのもまたおもしろい。

いかにフィルム時代のカメラが機能美として完成形というか「カメラの黄金比デザイン」だったかということをジワジワと感じる瞬間でもある。

ハイテク技術の進化という意味では、これからも驚くような高機能のハイスペックカメラが生み出されていくだろうけど、同時に「趣味のカメラ」としてはもう一方で、こうした「撮影体験の豊かさ」や「あえてアナログ的な描写」を追求していく流れが高まると楽しい。

それも、スタートアップ的な企業だけじゃなくて、キヤノンなどの大企業もまじえて進んでいくと、やっぱり世の中のうねりとしてもパワーが出てくる。

撮る写真だけじゃなくて、撮ってる瞬間も味わい深いというカメラとの向き合いの時間。2020年代後半は、そんな新しい胎動に個人的は注目したい。