端的にいうと、僕が最近手に入れたNikon D3SとCanon EOS-1D Mark IIIだ。この2台はこれまで使ってきたカメラと明らかに作りが異なる。それは十数年経とうが薄れるものなどではなく、むしろ現代に「忘れていた何か」を呼び起こしてくれるような感動がある。
やはり、プロ機とはとんでもないのである。
その鈍器のような剛性感と堅牢性、脳みそをえぐるような官能的なシャッターサウンドは、いかにも「撮る道具」としての素性をパワフルに発揮していて、これらのプロ機で撮っているとたとえただの散歩道でも没入感に浸れる。いつの間にかシャッターを切ることに没頭しているのである。
先日はネット記事で、昨日はYouTubeで「10万円以内でカメラを手に入れる」というタイトルが賑わっていたけど、僕はけっこう本気で「往年のプロ機」を推したい気持ちだ。僕がここで触れているNikon D3SとCanon EOS-1D Mark IIIなら、いずれも10万円以内でボディを見つけられるし、レンズを足す余裕もあるはずだ。
その10万円で得られる体験の濃さは凄い。いや、たしかにこんな巨大なカメラを日々スナップカメラとして持ち歩くにはちょっと現実的じゃないかもだけど、だからといってコンパクトな日常カメラだけを体験するのももったいない。かつてのプロ機がまだ使えるうちに、一度は体験しておくべき何かがここにはある。
いや、この巨大なプロ機でスナップを楽しむことこそ至高の歓びかもしれない。コンパクトな単焦点レンズをつけて、少しひとっ気の少ないストリートや海山なら、あの爆音ともいえるシャッターを鳴らしても大丈夫かもしれない。であれば、一度は鳴らしてみたいよね、ね。
ちょっとじぶんの願望の話になったが、世の中がちょっとコンパクトなカメラのブーム的な流れにあるいまこそ、大ぶりで迫力に満ちたカメラを手にして、五感をフル稼働するような撮影体験もおもしろいんじゃないかな。少なくとも僕はそんなことをいま、2台のプロ機たちで堪能している。
あとは、いつ街中へと繰り出すかだが。繰り出せるのか?…勇気をフツフツとたぎらせておきたいと思う、いつの日かのために。
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