
CP+ 2025も昨日で閉幕し、週明けの今日はホッとひと息ついているカメラ関係者の人も多いと思う。たいへん、お疲れさまでした。おかげで期待に胸膨らむ日々が送れました。
そんな今朝、Xを眺めていたらNHKニュースのアカウントが「“フィルム写真のような色合い” カメラ 各社が開発に注力」と題して昨今のデジカメ人気の傾向を紹介していた。
カメラの動向に詳しい人ならそれほど目新しい内容ではないかもしれないけど、世の中の一般的な人にはこうして報道されているので、興味のある人は以下のリンクから目を通してもらえればと思う。
僕自身は、かねてからデジカメでもフィルム写真機のようなスタイルや撮影所作を好んで楽しんでいるので、富士フイルムのカメラは好きで愛用しているし、フイルムシミュレーションは単に色が良いというだけじゃなく、かつてのフィルム名を冠した世界観の提供なんかにとても愛着を覚える。
NHKニュースさんの記事を読むと、特に気になったフレーズとしては「ずっと下降線を辿ってきたデジカメの出荷数が、四年連続で増加中」ということ、それから「スマホカメラにはできない楽しさを、デジカメは提供」というニュアンスのふたつ。


四年前あたりとなると、Nikonから初のヘリテージデザインのミラーレスカメラとなるNikon Z fcが発売された頃かな。たしかに、あのあたりからカメラ業界が勢いを取り戻した感じがする。
それまでも富士フイルムのXシリーズやオリンパスの写真機など、クラシックなデザインのカメラはあったけど、Nikon Z fcが出た頃から「クラシックなデジカメが市民権を得た」みたいな気がする。それまでは一部のクラシックマニア的な人たちのモノだったデザイン性が、一気に一般のカメラユーザー全体のモノになった、そんな感覚だろうか。


各社とも、かつてのフィルム時代の名機のデザインをただ再現するだけじゃなく、当時の写真機に対する根源的な思想に注目し、それを現代的な解釈でハイテク技術と組み合わせて新境地を提案し始めている。僕が今回手に入れたOM SystemのOM-3もそんな一台だ。
これらのカメラは、中身は最先端カメラなんだけど、見た目は威圧感なとは抑えられ、生活シーンのなかに自然と溶け込んで写真撮影を楽しめる。AF性能や高感度性能、また描写をじぶん好みにカスタマイズして楽しめる機能がてんこ盛りだ。ある意味、懐かしさと新しさのハイブリッドなのだ。


デジタルゆえに、フィルムカメラ時代にはできなかったことが着想力次第でいろいろできるようになったことは、単に動画性能がアップしたこと以上に大きいかもしれない。
そんな、カメラを再発明するような製品として、Sigma BFも発表され、そのこれまでのデジカメの延長線上とは異なるアプローチに、カメラファンのみならず、デザイン業界の人やガジェット好きな人、はたまたファッションを楽しむ人なども巻き込んで話題になっている。
そう、カメラはいろんなスタイルがあっていいのだ。デジタルの恩恵は本来、カメラのあり方にいろんな自由度をもたらすものだろう。せっかく各メーカーからいろんなデジカメが明示されるなら、同じようなモノがいくつもあるより、ぜんぶ「違っている」ほうが断然ユニークでワクワクする。
どのカメラが良いのか?じゃなくて、どのカメラも良い!。それが、デジカメ時代のカメラの醍醐味だと思う。僕もよくそうなりがちなのだけど、ついついじぶんの観点でカメラの良し悪しを判断しがち。でも、それは食わず嫌いみたいなもんで、時にはニュートラルに新しいカメラのスタイルを享受してもいいんじゃないかな。

四年連続で増加しているデジカメの人気が、これから5年10年でさらにどんな風に進化していくのか。そうそう、ライカ社のカメラが昨日で100周年を迎えたということで、こちらも今後の歩みがとても興味深い。
そんなことを考えながら、このブログ「記憶カメラ」も10周年を迎え、これからも懲りずに書き続ける所存である。目が離せないからね、このワクワクするカメラの世界から。