カメラへの思い

突如として「これまでのカメラ」を驚かせた、Sigma BFという独創的なプロダクト。

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Sigma BF 写真は公式YouTubeより

三連休の最後の日のお昼に、突如としてその発表に遭遇して驚かされたプロダクト「Sigma BF」。まずはその削ぎ落とされたミニマルで独創的なフォルムに軽い衝撃を受けるが、どうやら見た目だけの話ではない。

それが、この製品の第一報を目にして感じた迫力だ。SIGMAというブランドの凄みを感じながら、これは僕程度の浅はかな知識で簡単には語れないプロダクトである。(単純にカメラではなく、まずはプロダクトと捉えておきたい)

このプロダクトについては、とにかくSIGMAからのプロモーションムービーを観てもらうのがいい。そこで、あなた自身がどう感じるか?こそが、このプロダクトの削ぎ落とされたゆえの立ち位置だろう。

いかがだっただろうか。いわゆるカメラらしさの原点である物理ダイヤルも無ければ、内蔵ストレージを組み込み記録メディアのスロットも無い。そして、アルミ削り出しの極限まで美しさにこだわったデザイン。

僕は、ジョブズのAppleの、あの不要なものを強引とも思える思想で廃し、次のスタンダードを創造していった姿が思い浮かんだ。こうした世界を変えるある種のクレイジーな人々のことをしばらく忘れていたが、SIGMAに覚え出させてもらった気がする。

そして、製品と共に気になったのが、製品名の「Sigma BF」という小文字の入り方と、ゴジックから明朝体系のSIGMAの文字があしらわれたり、かつてのΣのマークがオープニング映像に使われたりしていること。つまり、SIGMAなりの新しいステージないし世界観の提示を感じる。

SIGMA fpの進化版というシンプルな話ではなさそうだ、と感じる所以だ。僕はかねてからSIGMA DP1、DP2 Merrill、dp3 Quattro、SIGMA fpと使ってきたが、そのどれもに「次なる幕開け感」を感じてきたが、今回もそのスピリットをヒリヒリと感じる。

Sigma BF 写真は公式YouTubeより

やれ持ちやすさが…とか、やれ使いやすさが…とか、やれ拡張性が…とか、そういうことで断片的に語ってはいけないカメラ、いやプロダクトだ。単に写真界やカメラ界関係者のみならず、あらゆるジャンルや嗜好の人々に一石を投じるブツだ。

僕は個人的に使いたいか?と言われれば、クラシックなスタイルの写真機を好む僕からすると、所有するリアリティとしては距離のあるプロダクトだとは思うが、精神性について言えばSIGMAの「我が道を行く」という意思は、どのブランドよりもカッコよく、さらに応援したい気持ちになった。

Sigma BF 写真は公式YouTubeより

さて、あなたにとってのSigma BFないしSIGMAというブランドは、どう映っただろうか。正解は無いと思う、SIGMAが提示したかったのは、なにか凝り固まったそれらしき正解ではなく、各人のイマジネーションを刺激する「問い」だと思う。それでいいのだ、それがいいのだ。

発売されたら、一度は実物を触ってみたい。話はそれからかもしれない。



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