FUJIFILM GFX 50S II

ラージフォーマット GFXの世界を体感したくて、僕はFUJIFILM GFX 50S IIを手にした。

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FUJIFILM GFX 50S II, GF 35-70mm WR

昨日のブログ記事にも追記したのだけど、僕のテーマである「急がないカメラ」の究極の形でもある中判デジタル、FUJIFILM GFX 50SIIを昨日手に入れた。

いわゆる中判デジタルと呼ばれるフルサイズを超えた大きなセンサーのカメラだけど、正確には富士フイルムでは「ラージフォーマット」と呼んでいて、そのセンサーサイズはフルサイズセンサーの約1.7倍の大きさになる。

なぜ、いまこのタイミングでラージフォーマットのカメラに興味を抱いたかというと、いちばんのきっかけは先日のストックホルムで開催されたFUJIFILM X Summitを見たから。

そこで最新のフラッグシップであるプロ機のGFX 100IIが発表されたんだけど、その配信を見ていて、ふとGFXの世界に興味を持ったんだよね。それまで、そんな大ぶりな機材はじぶんには無関係なものと思っていたんだけど、なぜかX Summitを見てから気になり始めた。

とはいえ、僕のような趣味の散歩スナップを撮るような楽しみ方であれば、さすがに1億画素やプロ向けのハイテク機能は必要ない。で、いろいろ調べていたら、この5000万画素タイプの現行機GFX 50S IIがいいんじゃないかと思い始めたのである。

GFX 50S IIのことを調べている過程で、AF性能や動体撮影には向かないことはわかったが、それはそもそも僕の「急がないカメラ」という観点でいえばまったく問題ない。

それよりも、ユーザーのみんながとにかく口を揃えて語っていた「さすが中判、これまで見たことがない描写。それはとにかく一度撮ってみれば分かる。」というフレーズに心を鷲掴みされた。そう、その世界は、実際に体験してみるしかないと。

僕が購入したのはレンズキットで、Gマウントでは最も安価でいわゆる入り口となる表示ズームレンズ GF 35-70mm WRとのセット。これもGF 35-70mmのことをかなり調べて最終的にレンズキットがいいと判断した。このレンズのことは、また別の機会にブログに書きたいと思う。

で、ひとまず試し撮りに近所を散歩カメラしてみた印象だけど、明るくない標準ズームでもその写りの濃厚さははっきり分かる。背面モニターに映し出される画像からして、もう奥行きや空気感が違う。たしかに、ユーザーのみんなが言う通り、ラージフォーマットは「別世界」である。

富士フイルムの上野隆さんも仰っていたけど、ラージフォーマットは画素数に関わらず特別な写りを見せてくれるとのこと。いまや画素数でいえば5000万画素超の高画素なフルサイズ機もたくさんある。けれど、センサーそのものが大きく、写真の根幹である「光をたくさん取り込む」というチカラはなによりも尊いということを感じる。

まあ、まだ使い始めたばかりなんで知ったようなことは言えないのだけど、「これは別世界」という感覚だけは明確に感じとることができる。それだけでもGFXを手にした価値があると思う。

FUJIFILM GFX 50S II, GF 35-70mm f4.5-5.6 WR
FUJIFILM GFX 50S II, GF 35-70mm f4.5-5.6 WR
FUJIFILM GFX 50S II, GF 35-70mm f4.5-5.6 WR

あと、僕がしみじみといいなと思ったのは「中判写真機」らしい撮影フィールである。このカメラは爆速AFや動体撮影を期待するカメラではない。けれど、その分、一枚一枚をじっくり撮るという余韻がとてもあるように感じる。それこそ、一球入魂でシャッターを切るフィルム時代の中判カメラのようなのである。

その静的なシャッターフィールが先代に比べておとなしすぎるという声なんかも見かけたけど、僕はそのシャッターフィールに好印象を持った。まさしく「急がないカメラ」だと。写りの濃厚さはもちろんだけど、僕はこの撮影フィールの濃厚さも強く推したい。

そう、やっぱりこのカメラは「写真機」なのである。実に富士フイルムらしい世界がここには凝縮されている。APS-CのコンパクトなXシリーズの写真機らしさはたまらないものがあるが、かつての中判写真機としての感動がここにはあるのだ。

もっとはやくに出会っておけば良かったとも思ったけど、Xシリーズを堪能した後にこのGFXの世界に出会えたことはいいステップなんだろうし、必然なんだろうと思う。XシリーズあってのGFXシリーズなのだ。

FUJIFILM GFX 50S II, GF 35-70mm f4.5-5.6 WR
FUJIFILM GFX 50S II, GF 35-70mm f4.5-5.6 WR
FUJIFILM GFX 50S II, GF 35-70mm f4.5-5.6 WR

まずはこのベーシックな標準ズームで富士フイルムが考えた美学みたいなものをつかみつつ、いずれは明るい単焦点も手にしてみたいと思う。あ、そういえばX(旧Twitter)でフォロワーさんがPENTAX KマウントのFA Limitedレンズなんかもアダプターを介して使えると言っていたので、オールドレンズの装着も楽しみかな。

きょうのところは、こんなシンプルな話しかできないのだけど、ジワジワと使い込んで、もう少し細かなニュアンスの使用感や撮影写真はこのブログで引き続きお伝えできたらと思う。

あ、最後にひとつ。このGFX 50S IIとコンパクトな標準ズーム35-70mmの組み合わせは、びっくりするくらい「軽い」ので、おそらく手に持つと誰もが驚くと思う。見た目を裏切る軽い衝撃。ボディが約900g、レンズはなんと390gしかない。この振り回せる感じが、富士フイルムが中判デジタルを身近なものにしたいことを象徴していると思う。

週末は少し車を走らせて、自然や古い街並みを試し撮りできるといいなと考えている。写真はまたその時に。それにしても、食わず嫌いはダメだな。僕はGFXに触れてみて、単にダイヤルオペレーションやクラシックなデザインだけが「写真機らしさ」じゃないことを再認識した。いいよ、GFX。これはたのしい。

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