これは推奨するものでもないし、あくまで僕が好む世界の話である。そう、「写真機」と過ごす心地良い時間のことである。
写真機という言葉も定義は難しいけど、個人的に分かりやすく言えば動画性能よりもスチール撮影に特化したカメラと言えばいいだろうか。あと、ニュアンスとしてはスチールといっても高度なAF性能や連写性能もあまり必要としない、つまり「機械式フィルムカメラ」で撮るような、あの撮影リズムのカメラたちのことである。
デジタルなのに、そんな使い方で楽しいの?と思われるかもしれないけど、僕のように趣味でその辺を散歩しながらスナップ撮影を楽しむような使い方であれば、そのゆったりとしたテンポのほうが心地良いし、フィルムカメラにあった機能さえあればデジカメだってシンプルでよくて、それほどハイスペックじゃなくてもいいことにあらためて気づく。
僕の場合だと、そう感じ始めたのはNikon DfとLeica M-P typ240でデジカメ撮影をし始めてからだろうか。フィルムカメラで使用しているマニュアルフォーカスのオールドレンズをそのまま装着できるNikon DfとLeica M-Pは、じぶんの中でちょっとした衝撃だった。
「なんだ、デジタルでもフィルムカメラのように心地よく写真撮影を楽しめるじゃないか」と。
まあ、このハイテク時代にあって、「カメラはシンプルな写真機でいい」なんて考え方は時代遅れ感も甚だしいが、動画やハイテク性能の進化についていけないからとかそういう理由ではなくて、単に静止画の写真を一枚一枚じっくり撮ることが心地いいというのが素直なところなのである。
デザイン的にクラシックなスタイルのカメラが好きというのはあるんだけど、デザインというよりは「写真を撮ってる感覚が濃厚」なモノが好きなんだと思う。
ちょっと不完全なモノ、という感覚でもあるかな。このあたり、言葉で表現するのはなかなか難しいのだけど、完全無欠のハイテクロボのようなカメラよりも、ややもすれば短所や不便さもあるんだけど、それをじぶんが操作して補いつつ、一枚の写真をおぼろげながら紡ぎ出していくような感覚。
いや、ごめん。やっぱり言葉で表現するのは至難の業だ。でも、いろんなカメラを体験してきて、最近その「写真機の歓び」みたいなことがじぶんのなかでより明確になってきたというか、愛用するカメラの類もだんだんと収斂されてきたように思う。
新しいモノが欲しいんじゃなくて、じぶんが心地いいモノとゆっくり過ごしたい。そういうことが、いまの僕の気分である。
追記)…というわけで、世の中がNikon Zfで沸き立ってる時にアレだけど、FUJIFILM GFX 50sIIを手に入れました。
写りもだけど、その一枚一枚を一球入魂でシャッター切る感じが、とても中判ぽいなと思いました。
詳しくはというか、購入動機とか使ってみた感触については、またこのブログで。
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