カメラへの思い

カメラの軍艦部は、なぜあんなにもそそられるのだろうか。

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Nikon Z fc, Viltrox AF 35mm f1.7

今朝は届いたばかりのレンズViltrox AF 35mm f1.7 Zマウント用の試し撮りにとAPS-CのNikon Zfcを持ち出したわけだけど、まあ何度見ても、この上から見下ろした軍艦部にワクワクするよね。僕がクラシックなスタイルのカメラを溺愛するいちばんの理由だ。

フィルムカメラの残像とか感傷といえばもちろんそれもあるけど、もうちょっとなんというか「カメラというプロダクトの黄金比」みたいな感覚のほうがニュアンスは近い。

いや、機能美かな。実際、このデザインは機能性からきている。電源オフの状態でも、そこに並ぶダイヤルを見れば、いま現在のシャッタースピードや感度、マニュアルレンズなら絞り値まで一目で分かる。歩きながら次のショットに備えてダイヤルをカチカチとセットできる。

FUJIFILM X-T5

フィルムカメラで撮ると枚数がデジカメほどは嵩まないのは、この「露出を決めてセットする」という所作のせいでもあって、この撮ろうとする写真像との語らいというか対話が実に楽しかったりするのだ。

カメラとの対話だから、ここは箱の中で勝手にオートで繰り広げられるよりも、それこそ人間との対話のようにアナログで目に見える動きのほうが気持ちいいのは、当たり前かもしれない。そう、写真は機械が撮ってるんじゃなくて「僕が」撮っているのである。

FUJIFILM X-Pro3

そういうことを感じとる意味でも、軍艦部がダイヤルオペレーションで構成されているののは大切だ。カメラで写真を撮るときにどういう仕組みで写真ができるのかを自然と認識しながらシャッターを切る。単にノスタルジックとしてダイヤルオペレーションを味わうだけとは異なる世界がそこにはある。

脳と指先や聴覚はつながっているから、ダイヤルを回す時のカチカチという感触や音も重要だ。それによって写真欲にスイッチが入る。だから、人は写真機らしい所作のあるカメラをあいかわらず好むのだと思う。

Nikon Df

いまのミラーレスカメラなら、ダイヤルを使わずにほぼオートで撮ることもできる。もちろんそれでもいい。その時はダイヤルオペレーションは「光景」だけになるとも言えるが、とはいえ「飾り」なんかではなく「撮る気」を盛り上げる一助となる。それだけでも、そういう軍艦部があるカメラを持ち歩くのは重要なのだ。

僕はPENTAXの一眼レフなんかも使うけど、あの一眼レフの軍艦部もモードダイヤルじゃなく、本当はシャッタースピードダイヤルなんかにすればいいのにといつも思ったりする。趣味のカメラとなった一眼レフなら、なおさらそういう手間こそが趣味性を高めてくれる。そう、趣味の写真は別にイージーに撮ることが歓びではないのだ。

Nikon Z fc, Viltrox AF 56/1.4 Z

なんとなくだけど、これからの趣味向けのカメラは俄然、クラシックなスタイルのものが増えるんじゃないかな。ダイヤルがたくさん並んだ、いかにも「操作が楽しそうなコクピットのような軍艦部を持つカメラ」、そういうのが来る気がする。妄想かなあ、いや、割と確信があるんだけどな。

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