
今朝ななんとなく身軽に撮り歩きたかったから、FUJIFILM X-Pro2を連れ出した。レンズはマップカメラが30周年記念モデルとして発売したシングルコートのNokton 23mm f1.2。この組合せの凛々しさはなかなかたまらない。
カメラ界がミラーレス機へとシフトして数年経ち、そのラインナップの柱もフルサイズ機になっている印象がある。たしかにレフ機と比べると薄くはなったが、フルサイズ用のレンズがそれなりに大きいこともあり、実感としてはそれほどコンパクトさを感じていない。
ファインダーレスのフルサイズ機であれば、レンズ次第である程度コンパクトにはできるが、個人的にはできればファインダーは欲しいところ。そうすると、やはり全体的なまとまりのコンパクトさで、APS-CのFUJIFILM Xシリーズの良さがきわ立つのだ。

いろんなカメラを日々使いつつ、FUJIFILMのカメラに持ち替えた時にいつも感じるので、実寸以上に体感サイズとしてFUJI機は「手の中の収まりがジャストサイズ」なのだろうと思う。
かといってフルサイズ機と比べて描写が劣るなんてことも個人的にはまったく感じないし、そこが気になるなら画力を2ランクほどアップして「いっそ中判デジタルにしたら?」というFUJIFILMの発想は、なかなか周到で世の中的にも市民権を得てきたとも感じる。

そうやってミラーレス機の選択肢がいろいろあるなかで、むしろFUJI機の「ジャストサイズ感」は、ひとつの分かりやすい選択理由になってきたとすら感じる。
そう、誰もがプロ機さながらの撮影をしたいわけではなく、ちょっと日常に添えるカメラを選びたいというニーズも少なくない。いや、むしろ趣味のカメラとしては、そちらのほうが大勢だろうとも思う。

一時期、大型化されつつあったXシリーズを、X-T5の登場で原点に帰り小型軽量へとゆり戻しがあった。そして、十分コンパクトだと思っていたX-T5の中身をほぼそのままに、さらにギュッと軽量コンパクトにしたX-T50へと進化した。より「小型化する進化」は、当初思い描いていたミラーレス機の未来としては、これぞ正常進化とも感じる。
こんど出てくるOM SYSTEMのOM-3も、まさにそういう意味では、個人的にはとても大歓迎な「進化」だ。それはサイズだけじゃなく、存在感としても必要以上に威圧感のない、ほどよくさりげないがゆえの良さ。

ミラーレス機が進化する過程で「ジャストサイズ」が見えてきた、という事象も起こってるんじゃないかと個人的には感じている。
いつでも、どこへでも、気負いなくサッと持ち出せる、からだの一部のようなカメラ。2025年からは、そのあたりの「良さ」に目が向くんじゃないかと思っている。