
きょうは6月6日で「66の日」ということで、いま僕の手元に残る唯一の中判機Rolleiflex Standardをタイトル写真にしてみた。中判はHasselblad 500M/CやKowa SIXも使ってきたけど、いろいろな軌跡をたどって、結局は最初に手にしたRolleiflex Standardが残ったわけだ。
しかも、このStandardはちょっと腐れ縁で、一度手放したのだけど、手放したお店とは別のお店のショーケースでたまたま製造番号が同じの、つまり僕が使っていた個体そのものと偶然遭遇して、これは運命だと思わず買い戻したのだ。
最近はブローニーで撮ることも減ったけど、撮りたいという気持ちはある日突然舞い降りるから、こうして手元に運命の一台があることは、やはり心の潤いになる。実際、この子で撮る時の没入感は素晴らしいしね。
そうそう、僕のそうしたカメラに魅せられていった原点には、田中長徳さんの存在が大きい。写真を撮ることと、その道具であるカメラを愛することが同義語になったいまのじぶんがあるのは、間違いなく田中長徳さんのカメラ本、写真本の数々をむさぼり読んだからだ。
そんな長徳さんが、まさに人生の集大成的に写真集を制作するためにクラウドファンディングに挑戦していることを、Xのフォロワーさんに教えてもらった。そして迷わず応援出資させてもらった。二冊の写真集も見たいし、なにより勝手ながら感謝の気持ちが大きかった。
それこそ、このブログ「記憶カメラ」を書いているのも、考えてみると長徳さんから受けた影響はかなり大きいように思える。カメラ人類なんて言葉は長徳さんからしか聞けないし、写真が好きか?カメラが好きか?なんてそんなナンセンスな議論を吹っ飛ばす価値観を僕に植え付けてくれたのも長徳さんのように思う。「そんなの、セットに決まってんだろう」と。
僕はあまりクラファンをご自分で知り合いの人なんかにアピールする事象は好きではないのだけど、今回は長徳さんご本人が何かこれ見よがしにアピールされたのを見たわけじゃなく、周囲の声からその事象を知るに至ったので、そういうのは「まわりのチカラ」だから、僕もその「まわりのチカラ」のひとつになりたいと素直に思った。写真集、楽しみにしてるよ!長徳さん。

写真集といえば、きょうはソール・ライターの「永遠のソール・ライター」と、川島小鳥さんの「ソウルメイト」を眺めてた。何度でも眺め返すことができるのが写真集の良さだけど、やっぱり最近手に入れたものを眺める頻度が高くなる。
ここ最近手に入れてよく見てるのは、上の二冊と、トモ・コスガさんが復刊された深瀬昌久さんの「洋子」と「遊戯」。あと、大門美奈さんの「浜」、川内倫子さんの「うたたね」と「花火」とかかな。もう少し以前だとマグナムフォトの「MAGNUM MAGNUM」や、奥山由之さんの「君の住む街」もかなり繰り返し見てるな。
そんな人たちのような見事な写真は僕には逆立ちしても撮れないけど、眺めてるとね、擬似体験はできる。その写真家さんがカメラを構えて被写体と対峙してる光景が思い浮かぶというか、そうやって現場にいるような感覚を得られるのが最高に気持ちいい。テクニック的なことより、僕がその撮っている人と撮られているモノの光景が思い浮かぶ写真集が好きだ。

むむ、なんか「カメラのこといろいろ」とかタイトルに書いたものの、あまりカメラのことを書いてなくてアレか笑。カメラのことといえば、いまはやっぱり富士フイルムの元気の良さがグイグイきてる感じかな。だって、レンズ固定式のGFX100RFを出したと思ったら、矢継ぎ早にこんどは小さなセンサーのフィルムカメラの所作をデジタル化したX halfを発表。
そうかと思えば、写ルンです+なる現像サービスを打ち出して、これまたX halfもまだ売り出していないのに、次のX Summitが催されてクラシックなアレが発表されようとしている。もうね、追いつかないくらいぶっ飛ばしてるよね、富士フイルム笑。もちろん、褒めてる。他所がやらないことをやってのける富士フイルムが帰ってきた感が溢れていてね。
まあでも、さすがに富士フイルム好きな僕でも、そんな次から次へと新製品を買う余裕も財力もないから、ただただ「ひえー」とか思いながら現況を眺めているところだけど、ひとつくらいは何か手にしたいと思うものの、とにかく頭が追いつかないので、まずは店頭で焦らずじっくり実機を触ってみたい、とか考えてる。あなたはどんなだろう笑
でもねえ、僕はフィルム機だけじゃなく、デジカメもけっこう古いモノも好きだから、なんか新製品情報ばかりに気を惹かれるのもおもしろくない笑。ちょっと天邪鬼なところもあるのかな。まあ、カメラという道具を新旧とかで語らずに、愛おしさで語るのがこのブログの信条でもあるから、同じ嗜好の人がいるなら、どうぞこれからもブログ「記憶カメラ」をご贔屓に。

そういえば、このブログ「記憶カメラ」もこの夏で11年目に突入する。よくもまあ、そんなに書き続けることがあるなとじぶんでも思ったりもするが、日記と捉えると、日々思うところはいろいろあって、きょうもこうして懲りずに書いている。
それはやっぱり、僕がカメラに出会ってちょっと人生を豊かにしてもらったから。それこそ田中長徳さんのカメラ本なんかは人生に影響を与えてもらった。たかが道具だけど、されど道具なのだ。そして、そんなカメラの持つ魔力みたいなものが、さらに一人でも二人でも伝わると素晴らしいじゃないか!とか思いながら、僕はまたブログを書き続ける。
スペックのことなんか1ミリも書いてなくて恐縮だけど、もし「ちょっとわかる」なんてカメラ人類みたいな人がいたら、明日ものぞいてくださいな。きっとまた、独りよがりなブログを書いていると思うので。ということで、脈略のないブログになってしまったが、今夜はこのあたりで。ふー、また書き殴ってしまった…笑