
きょうはまるで初夏のような3月の土曜日。その陽気に誘われて、カメラを持ってしばらくウォーキングがてら辺りを撮り歩いた。相棒にしたのは、元祖クラシックデザインのデジタル〈Nikon Df〉である。
最近はミラーレス機のNikon ZfやZfcを持ち出すことが多いが、趣味のカメラとしての濃厚な撮影体験ということでいえば、いまでもNikon Dfのほうがいろいろと「濃い」。
もう10年前のカメラだが、古さはまったく感じない。むしろ、時代が追いついてきたというか、昨今のクラシックテイストのカメラ人気のなかにあっては、これぞ元祖的な感慨深さがある。

きょうは、さらにマニュアルモードで撮影していたから、その楽しさは趣味モード全開だ。感度をISO400に合わせ、絞りは概ねf5.6にセット、そのうえでシャッタースピードダイヤルで露出を調整していく。
光学ファインダーだから、ファインダーをのぞいただけでは露出が合っているかは分からない。それが楽しいのだ。とはいえ、シャッターを切って背面モニターを見れば露出が正解かどうかはすぐ確認できる。これがクイズのようで実に楽しい。

もちろん速写が求められるシチュエーションではこんなことはしないが、別に時間に制約がなくゆっくり撮れるなら、やはり露出を考えながらマニュアルで撮るのは趣味のカメラの醍醐味と言える。
僕が新品で手に入れた時は20万円オーバーの価格で、それからも長らくは中古価格も高値安定だったが、近頃はミラーレス機のNikon Zfも登場したことで、Dfの中古価格もずっとこなれてきて手に入れやすくなったと思う。

「Zfじゃなくて、あえてDf。」というのは、趣味のカメラとしてはかなりアリだと思う。嘘だと思うなら一度体験してみてほしい。疑ってる人ほど、軽い衝撃に包まれることだろう笑。こんな濃厚な一台もそうないのだから。