FUJIFILM GFX100RF

中判コンデジという新たなスタンダードを打ち出してきた、FUJIFILM GFX100RF。

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FUJIFILM GFX100RF 写真は公式HPより

あらかじめ予告されていた通り、3月20日夜にYouTubeでX Summit新製品発表が行われ、これまた噂通りのレンズ固定式のGFXが発表となった。FUJIFILM GFX100RFである。

事前のティザーでX100VIとGFX100SIIが重なるようなビジュアルが公開されていたが、まさにそれを具現化したようなスタイルとなった。つまり、見た目はX100VIのようで、中身はGFX100SIIのようなラージフォーマット・コンデジである。

ここでは、一般的な呼称とされるであろう「中判コンデジ」と表記して話を進めるとしよう。

まだ僕自身がこの製品のことを熟知していないので、個人的な雑談程度に眺めてもらえるとありがたい。多少の認識間違いなどがあってもおおらかな気持ちでやり過ごしてほしい笑。

見た目のフォルムはたしかにX100VIのようだ。エッジの効いた美しい天面を持ち、赤色がアクセントとなった製品名表記も、まさにX100VIのイメージだ。ただし、ファインダーはEVFオンリーでX100VIやX-ProシリーズのようなOVFも兼ね備えたハイブリッドビューファインダーではない。

レンズ一体型として設計されたことで、ボディ寸法はたしかにかなりコンパクトになった印象。他のGFX同様にある程度の厚みは感じるが、IBIS(手ぶれ補正機構)は載っていないから、他の現行機より多少厚みも抑えられているのかもしれない。

レンズは、フルサイズ換算で28mm相当の画角となる、開放地f4の新開発レンズが固定されてるのかな。レンズ交換やズームこそできないが、そこは1億画素オーバーを生かして、デジタルテレコンによるクロップ撮影で対応し、標準域や中望遠域なんかでもスナップ可能ということだろう。

また、スナップの楽しみ方のバリエーションという事でいえば、4:3はもちろんアスペクト比を多彩に切り替えて楽しめることも特徴のよう。そのあたりの「固定レンズなんだけど、その日の気分でいろいろ着替えられる感覚」については、内田ユキオさんが公式動画の中で触れられているので、そちらをご覧になってほしい。

さて、そんなGFX100RFを、どんな人がどんな風な撮影に使用して楽しむのか?ということだけど、一言でいえば「リッチなスナップ」ということになるだろうか。「リッチな」というのはフルサイズセンサーの約1.7倍もの大きなセンサーで光をふんだんに取り入れたリッチな描写であり、さらにはコンデジにも関わらず中判で撮れるという心情的なリッチさだろう。

「スナップ」というのは、いわゆるストリートスナップであり、日常のなにげないスナップフォトであろう。でも、中判の性質を考えれば風景写真などにも当然使いたくなるだろうし、中判とはいえ開放値f4となるとある程度ボケを抑えた落ち着いた描写になるから、そういう意味でも凝視するというより「スナップ感覚」でシャッターを切るという心持ちなんじゃないかな。

そういう使い方であれば、レンズ一体型ボディのコンパクトさは俄然、威力を発揮する。わずかでも薄くコンパクトであるほうが取り出しやすいし、明らかにさっと構えやすい。AF性能もGFX100SIIよりさらに向上しているようなので、スナップ撮影上はかなり使い勝手のいいGFXに仕上がっているものと思われる。

FUJIFILM GFX100RF 写真は公式HPより

僕はと言われれば、GFXには中判らしい深いボケを求めるので、Mitakonのf1.4やf1.6のレンズも装着できるレンズ交換式のGFXをこれからも使い続けると思うが、意外と食わず嫌いというか、いざ実物をさわってみたらその機動力や質感に共感するかもしれないから、まずは一度実機をさわってみたい、というところかな。

でも、価格もかなりリッチだから、こればかりは雰囲気だけで衝動買いということはまず無い。本当にじぶんの写真の楽しみ方や、所有する他のスナップ向け機材との使い分けみたいなことが明確にイメージできたら、あらためてその時に本気で検討したいと考えている。

まあ、僕の使用感覚はともかくとして、FUJIFILMがこの「中判コンデジ」という新たなスタンダードを生み出してきたところには、よくやった!富士フイルム!という思いが強い。僕はFUJIFILMのカメラたちをこよなく愛しているが、それはFUJIFILMが持つヤンチャ精神というか、遊び心も含めたチャレンジスピリットに心動かされていることが大きい。

ここのところちょっと生真面目というか、熟成の方向に走っているように見えたFUJIFILMがまた「やってくれたな」という感じがして、その意味ではGFX100RFから再びヤンチャなFUJIFILMのスイッチが入るという期待も感じる。それはX-ProシリーズやX-Eシリーズのさらなる進化、革新を期待させるものでもある。

このGFX100RFの誕生は、単に一製品の事件ではなく、FUJIFILMの次なる革新の新たな第一幕のようにも感じる。ここのところ「フイルムと社名に入った会社のカメラづくり」という意思の表れを強く表現しているようにも感じるから、僕はそれがカメラ界全体に与える好影響や刺激みたいなものが楽しみかな。

そのあたりの動向にも注目したい2025年のFUJIFILM。うん、楽しみになってきた。




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