写真が脳に与えてくれる刺激みたいなことについて。
FUJIFILM X-E5, XF 35mm f1.4 R「写真」がいいなと思うのは、撮る楽しみと同時に「見る楽しみ」があるから。じぶんが過去に撮った写真なら、それを眺めるだけでなんともいえない感情が動き出し、あっという間にタイムスリップできる。
さらに、誰かが撮った写真を見ることは、ある種の擬似体験みたいなもので、撮り手の思考や目の前の光景と対峙した姿、辺りの空気や音などを想像、妄想する時間は、これもまたなんともいえない思考へと誘ってくれる。
僕はじぶんが写真が上手じゃないこともあって、シンプルに素晴らしい写真を眺めたい欲求があって、割と著名な方の写真集や関連書籍、その方々のInstagramや動画なんかもよく眺める。(写真集の話題はなぜかあまり読まれないので、ブログに書くことは少ないのだけど)
そういう素晴らしい作品を見て、僕の写真が上手くなるとはまったく思っていないけど、間違いなく「シャッターが切りたくなる刺激」になるんで、エナジードリンクを注入するようにそうした刺激物を日々の生活の中に採り入れるようには意識している。
いま、いちばんハートをえぐられているのが(いい意味での言葉選びとして)、林ナツミさんの新刊アートブック「THE GIRL」だ。著作権のこともあってここには作品を貼れないので、興味がある人は以下のリンクか、林ナツミさんのInstagramやThreadsを見にいってほしい。
林ナツミさんはご自分のことを写真家と名乗っておらず、プロフィールには「現代美術家」と明記されている。新刊「THE GIRL」はAIとの対峙によって創作したと語られていて、その具体的な制作方法までは分からないけど、とにかく刊行前に披露されている作品を見ると、異様に刺激を受ける。
シリアスともいえるし、スリリングともいえる。アートなんだろうけど妙にリアリティもあり、やたらとこちらのイマジネーションが揺さぶられる。ちょっと僕の語彙力が乏しくて上手く言葉にして書けないが、とんでもなくカッコいい。
そこに明示された企みのようなものを目の当たりにすると、これはもはや写真というジャンルじゃなくて、人の思考をかなりのパワーで揺り動かす現代美術なんだろうと、僕なりには解釈している。そんな単純な話ではないと思うけど、それも含めてこのアートブックが完成してお目にかかれることを実に楽しみにしている。
こういうパワフルなエネルギーは、なかなか趣味の世界で写真を楽しんでいて体感できるレベルのものじゃない。だから僕は、それを疑似体験的に感じられる写真集が好きだし、その作者の思考の一端を垣間見ることができることに、決して大袈裟ではなく幸福を感じる。
カメラで写真を撮っている人なら誰しも思い当たると思うけど、そんな毎日、劇的な光景に居合わせられるわけじゃない。撮ることだけで歓びを満たすのではなく「見ること」でも歓びや思案することを補っていく。そういう意味で、凄い人の凄い作品をたくさん見ることはとても大切な時間だと考えている。
そういえば、昨夜興味深い動画を見かけた。Frame_TokyoさんというアカウントがYouTubeで発表されていた写真家の解説動画だ。
僕がたまたま見かけたのは、おなじみソール・ライターの紹介篇。ソール・ライターの写真集は僕もいくつか所有しているが、作品というよりもその作品が生み出されたバックストーリーのようなものが検証されているので、これも興味がある人は見てもらえたらと思う。
他にもウィリアム・クラインなどいくつかの写真家や写真をテーマにした動画があるようなので、僕もまたのぞいてみたいと思っている。その写真家の疑似体験として、また動画を作成した方の疑似体験として。
写真は基本的に言葉が添えられていない分だけ、その写真に込められたエネルギーなりメッセージ性が濃密だと思っていて、個人的には動画以上に脳みそが揺り動かされる感覚がある。じぶんが撮ったものですらそうなのだから、他の人が撮ったものを見ると、その脳みそのえぐられ方は凄い。
撮る趣味に加え、見る趣味を。一見、カメラさえあれば誰にでも撮れてしまう写真だったりするけど、それだけに「こんなのはじぶんにはとても撮れない」という、写真というものへのリスペクトも含めて、写真との向き合い方を再考、熟考してみるのもおもしろいんじゃないだろうか。

















































