カメラへの思い

カメラの機能をだんだんと引き算していく愉しみ。

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Leica M8, Elmar M 50mm f3.5

この言葉は、以前ギズモードさんの動画で富士フイルムの上野隆さんが話されていたフレーズ。

初めてのカメラはそれこそビギナーをサポートしてくれるいろんな機能が載ったカメラがいいだろうけど、そうやってカメラや写真撮影の仕組みがわかってきたら、こんどはだんだんとサポートしてくれる仕組みを削っていき、じぶんの腕で写真を作り上げていく「工夫」を楽しむ、みたいなニュアンスだったと思う。

おもしろいよね。これはカメラに限らずかもしれないけど、物事にハマっていくとある種、複雑だったり難解なことをクリアするスペックの高さみたいなベクトルに一度は行くのだけど、そこから先はむしろシンプルな方向に帰っていく。

ハマっていくことの究極は、悟っていくという姿でもあるんだろうね。もしくは、外的要因よりも、じぶんの中の解決とか対峙に向かっていく、たどり着くというほうが近いかな。

近ごろ、クラシックでシンプルなものが受け入れられるのは、時代そのものがそういう根源的な気持ちよさや感慨に向かっているのかもしれない。

FUJIFILM X-Pro3

カメラもそんなアイテムの代表的なものなのかな。写真撮影やカメラに取り憑かれると、一度はハイスペック機の世界へと突き進むのだけど、気がつくと最後はシンプルなカメラやレンズにたどり着いていた、みたいなね。

もちろんプロのカメラマンなんかは、日進月歩のテクノロジーが新しい撮影技術のアップデートにつながっていくのだろうけど、趣味人にとっては便利さやスピードなんかよりも「気持ち」とか「気分」だったりするから。どうだろう。

僕についていえば、たとえばエルマーといういかにもシンプルなレンズを装着すると、レンズのパフォーマンスに期待する変な打算みたいなものが消えて、とてもピュアに「どう撮ろうか」という思考になれたりする。カメラもできるだけシンプルなほうが、その静かなる思案は濃厚になる。

たぶん、僕の中の「にんげん」がより積極的に動き出すのだと思う。機械に頼らない野生に近いものかな。カメラやレンズが撮るんじゃなくて、僕が撮るんだという気持ち。

高性能なカメラやレンズでしか撮れない世界があるのも事実だけど、そういう足し算のような写真撮影じゃなくて、ちょっとじぶんでも驚くくらい引き算の世界に身を置いてみるのもたのしいと思う。いや、むしろ、その境地こそが最高の趣味の時間なのかもしれない。

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