FUJIFILM X-E3

ACROS色で撮りたくて。

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FUJIFILM X-E3, Color-Skopar 35/2.5 C-type, ACROS

ACROSとは、あの黒白ネガフィルムのことであり、現在のFUJIFILMのデジカメに搭載されたフィルムシミュレーション(黒白撮影モード)のことである。フィルムをやってる人にとってはやはりACROSとは思い入れのあるフレーズで、同じ黒白写真をデジカメで撮るにしても、あの往年のフィルム名を冠したACROSモードで撮ってみたいと一度は思うわけである。

僕の場合は、そのためにX-E3を購入したといっても過言ではない。事実、その前まではひとつ古いタイプのX-E2を使ってたけど、この世代機にはACROSは搭載されていない。ACROSモードで撮りたいなら、現行のFUJIFILM機を手に入れるしかなかった。で、思わずRICOH GRIIIを手放してX-E3を手に入れたのである。

もちろん、理由はそれだけではなく、コンパクト機でも「ファインダーが欲しい」と思ったことも大きい。それでも、歴代気に入っていたGRを手放してまでX-E3が欲しいと思ったのは、ACROSの有無のせいであることは間違いないのだ。

僕は、フィルムはカラーネガ派だったから、FUJIFILM業務用100は呆れるくらいたくさん撮ってきたけど、それからするとACROSはそれほどたくさんは撮っていない。だから、このデジカメが叩き出すACROSの色がフィルムのACROSと比べてどこまで似ているのかは正直よく分からない。けれど、ACROSモードで撮っているということで気分が少し高揚するのである。

FUJIFILM X-E3, Color-Skopar 35/2.5 C-type, ACROS

あと、フィルムのACROSが一度は幕を閉じたことも大きい。現在はACROS IIという名のもと再販されてるけど、当時はフィルムのACROSが販売を終了したことが何より衝撃的で、これでフィルムの終わりが一気に色濃くなったとかなり落胆もした。そのせいもあって、ACROSをデジタルで再現したFUJIFILM機が欲しくなったんだよね。

厳密に言えばフィルムとデジタルはかなり異なるわけだから、あの往年のACROS色とは違うのだけど、今や国内唯一のフィルム販売会社が再現しようとした色や描写だから、そこには「思い入れ」が写り込むとも思っている。たしかにフィルムの世界がだんだんとシュリンクしてることは否めないけど、それに代わる新しい文化の光もなくは無いのである。

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