
ACROSとは、あの黒白ネガフィルムのことであり、現在のFUJIFILMのデジカメに搭載されたフィルムシミュレーション(黒白撮影モード)のことである。フィルムをやってる人にとってはやはりACROSとは思い入れのあるフレーズで、同じ黒白写真をデジカメで撮るにしても、あの往年のフィルム名を冠したACROSモードで撮ってみたいと一度は思うわけである。
僕の場合は、そのためにX-E3を購入したといっても過言ではない。事実、その前まではひとつ古いタイプのX-E2を使ってたけど、この世代機にはACROSは搭載されていない。ACROSモードで撮りたいなら、現行のFUJIFILM機を手に入れるしかなかった。で、思わずRICOH GRIIIを手放してX-E3を手に入れたのである。
もちろん、理由はそれだけではなく、コンパクト機でも「ファインダーが欲しい」と思ったことも大きい。それでも、歴代気に入っていたGRを手放してまでX-E3が欲しいと思ったのは、ACROSの有無のせいであることは間違いないのだ。
僕は、フィルムはカラーネガ派だったから、FUJIFILM業務用100は呆れるくらいたくさん撮ってきたけど、それからするとACROSはそれほどたくさんは撮っていない。だから、このデジカメが叩き出すACROSの色がフィルムのACROSと比べてどこまで似ているのかは正直よく分からない。けれど、ACROSモードで撮っているということで気分が少し高揚するのである。

あと、フィルムのACROSが一度は幕を閉じたことも大きい。現在はACROS IIという名のもと再販されてるけど、当時はフィルムのACROSが販売を終了したことが何より衝撃的で、これでフィルムの終わりが一気に色濃くなったとかなり落胆もした。そのせいもあって、ACROSをデジタルで再現したFUJIFILM機が欲しくなったんだよね。
厳密に言えばフィルムとデジタルはかなり異なるわけだから、あの往年のACROS色とは違うのだけど、今や国内唯一のフィルム販売会社が再現しようとした色や描写だから、そこには「思い入れ」が写り込むとも思っている。たしかにフィルムの世界がだんだんとシュリンクしてることは否めないけど、それに代わる新しい文化の光もなくは無いのである。
私は富士フィルムのX-pro2を使っていますが、このカメラを買ったのは、今も通っているカメラのキタムラの当時の店長が、デジカメのライカモノクロームの画質に匹敵するモノクロはこのpro2のアクロスモードだけと強く勧めてくれたからです。
正直言うとその時はX-pro2は面白いカメラだと思っていたのですが、サイズが大きいので購入対象から外していました。その時の私はコンパクトカメラが欲しかったんですね。
でも店長のその言葉が余りにも強く心に刺さってきたので、考えを改めて面白さでカメラを選び直してみようかと思って購入に至ったわけです。
買ってみた感想は正解でした。アクロスモードすごいです。素人なのでどこがどう凄いか上手く言えないのですが、このモードで撮るとカメラのウデが二、三段上がったような気になってしまいます。それにファインダーシステムも凝っていて面白いですし。今も楽しく使わせて頂いております。
記憶カメラさん、いつも面白い記事ありがとうございます。
こちらこそ、とても興味深いエピソードを聞かせていただいてありがとうございます!
アクロスモードは国内唯一のフィルム販売会社がその誇りをかけて開発した、そんな魂がこもった描写な気がしますよね。
近ごろ、写真には思いが写り込むなとほんと思います。
アクロスモード、存分に味わいましょう!
毎回の良記事ありがとうございます。
いつも楽しく読んでます。
私はフィルムのほうのACROSⅡを愛用しています。
富士のデジタルは持ってませんのでアクロスモードは分かりませんが、フィルムのACROSⅡは、[優等生] という単語がピッタリな感じの写りだと感じてます。
個人的にはラチチュードが広いってのがとても嬉しいポイントです。
オススメのフィルムです。