この場合のライカとフジとは、最新機種同士の組合せや比較の話ではない。僕が昨日連れ出したLeica M8とFUJIFILM X100Vの話である。
先日「出かける時はカメラは一台で大丈夫。サブ機はどうせ使わずに持って帰るから。」みたいなことをブログに書いた。にも関わらず、なぜこの二台体制で出かけたかというと、「フィルムを撮り終えたらデジタルに持ち替える」というのと同じ感覚だったりするから。
つまり、僕的にはLeica M8はフィルム機なのだ。それはKodak製CCDのAPS-Hセンサーの色味がネガフィルムっぽいというのももちろんあるけど、単純に2006年(発売)製のバッテリーがそれほど長持ちしないから、フィルムカメラのように物理的に撮り終わりがあるということ笑。
それでも満充電のバッテリーを2個持ち歩けば500枚ほどは撮れるんで、36枚撮りフィルムでいえば13本ほど撮れるから、まあフィルムカメラでもそこまでは一度に撮らないんで、クラシックなデジカメとしては優秀だと思うけど。
ちなみに中古で購入した時は、同じバッテリー1個で30枚弱しか撮れなかったんだけど、ネット記事で「一度、完全放電すると良い」というのを発見。シャッターボタンの上に1円玉を乗せてテープで固定して完全にバッテリーが空になるまで放電し続けると、見違えるようにバッテリーの持ちが良くなった。
で、Leica M8とX100Vの話に戻るけど、昨日はM8のバッテリー残量が1.5個相当で、撮れて350枚程度かなという状態だったんで、念のためということでサブ機としてX100Vも持参したというわけ。でも予想通り、X100Vはほぼ使わず、せっかく持ってきたし記念写真的に数枚撮って帰るか、という感じだった笑。
でも、この二台を同時に持ち出したことで、ちょっと発見もあった。見た目は似ている二台だけど、当たり前にけっこう違う。
M8はマニュアルフォーカスレンズで、高感度は強くなく、最大で70cmほどしか寄れない。かたやX100Vのほうはオートフォーカスでけっこう接写もでき、EVFに切り替えることもできて、高感度も強い。シャッタースピードもM8は唯一M型デジタルで1/8000sの高速シャッターが切れるけど、X100Vのほうは電子シャッターでなんと1/32000sまで切れる。
つまり、互いを補い合う意味で、実に振り幅の相違が楽しい組み合わせの二台なのである。いや、それはつまりX100Vが一台あればM8ができることはすべて内包できるんじゃないの?と思うかもしれないが、そこはやはりレンジファインダー機とミラーレス機との違いはあって、M8のフィーリングもまた唯一無二なのだ。
そういう意味では、ライカとフジは一見似ているように見えて、カメラとしての存在価値としては互いに異なる要素を満たしていて、別々に存在することが必要なのだ。
以前、カメラ系YouTuberの人がフジのことをプアマンズライカ的に発言していたけど、フジはライカのことはリスペクトしつつも、やはりちゃんと違うベクトルを追いかけている。カメラの楽しみ方が人それぞれなように、カメラの立ち位置もまたそれぞれなのである。
ライカについてはM型にもいずれEVFが載るんじゃないか?とか数年前から噂話もあるけど、それは正確にいうとQシリーズがレンズ交換式になるということで、M型はレンジファインダー式を貫き続けるんじゃないだろうか。それは、やっぱりそれでしか味わえない撮影体験があるから。
僕の場合は、フィルムカメラを持ち出す時はその日のフィルム(2〜3本)を撮り終えたらデジカメに持ち替えるという風な発想で二台を持ち出していたけど、考えてみるとフィルムとデジタルの違いだけじゃなくて、クラシックなカメラと現代的カメラとの違いも楽しんでいたんだなと。
まあ、二台持ち出してもどちらか一台(僕の場合は、よりクラシックなカメラ)だけをほぼ使うわけだけど、こうしてクラシックとモダンの二台を持ち出して違いを楽しむというのも、今さらながらアリだなと。
さて、みなさんの複数台の使い方はどんなだろう。あくまで同じ機種を二台持ち出す人もいれば、大小のコンビで持ち出す人もいるだろう。いずれにしても、カメラは一台一台個性も違い、年代も違う、まるでにんげんのよう。意外と相反する二人が意気投合するように、カメラもそういうところがあるかもしれない。
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