Leica M8, Summicron 50/2 1st 沈胴「そして」と書いたのは、この話には少し伏線があったのだ。以前、このブログにも書いたのだけど、僕はある日、無性に沈胴ズミクロンを手にしたくなってカメラ屋を訪れた。けれど、あいにく程度のいい沈ズミが無くて、代わりにというわけじゃないけど、その日僕は結局、固定鏡胴の初代ズミクロンを連れて帰ったのである。
実は固定鏡胴の初代ズミクロンを手にしたのは二度目で、そういう意味では昔の恋人に再会したようななんとも懐かしい、思い出をなぞるような歓びがあったのだけど、初めに沈胴ズミクロンを求めていた気持ちはなかなか誤魔化せず、やはり沈胴ズミクロンを手にするに至ったのである。
まあ、ダメな人間である笑。
もちろん固定鏡胴の初代ズミクロンも気に入っていたんで、それは手元に残しつつ沈ズミを買い足そうかと考えていたんだけど、さすがに財力にそこまで余裕はなく、固定鏡胴は二度の所有で十分思い出を刻めたということで、今回は固定鏡胴と沈ズミを入れ替えることで決着をみた。
こうしてM型ボディに装着してみると、やはりなんとも言えず美しい。固定鏡胴も凛々しいけど、僕のMマウントレンズはベースはM3用で、M3に最も似合う佇まいのレンズとなるとやはり沈胴ズミクロンということになる。そういう意味では何周か遠回りした気がしないでもないけど、ようやく僕のM3と沈胴ズミクロンが結ばれることになったのだ。
M型ライカのルーツ 初代 沈胴ズミクロンそして、このM8は、僕の中ではM3の生き写しのような気持ちで使っているんで、当然ながらこの沈ズミがよく似合う。フードは以前はITDOOを使っていたのだけど、いまはズマロンと共用でこのIROOAを装着している。フィルターをつけるべきかどうかは迷ったけど、たぶん一生の付き合いになるズミクロンなんでいちおうフィルターを装着することにした。
これで、ようやく僕の今年の「M3活性化計画」が完成をみた気がしている。眼鏡付きズマロンが来て、ライカメーターが来て、そして最もM3らしい沈胴ズミクロンが来た。フィルムも今年に入って数本買い足したし、あとは撮るだけである。といってもフィルムばかりで撮る財力もないので、そこはデジタルのM8にもカバーしてもらうということで。
まずはM3に装着して撮る前に、M8でしばらく試し撮りなりそのルックスを楽しみたい。それにしても、美しい眺めである。ライツが最も贅を尽くしたその時代の気分を、じっくり、ゆっくり堪能したい。写真の原点に帰るような気持ちで。
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