Olympus PEN-F

カメラ雑誌が消え、カメラメーカーが消え、思うこと。

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OLYMPUS PEN-F, M.Zuiko digital ED 12/2

空は暗雲が立ち込め、雷の音が蠢き始めた。まるでカメラ業界を象徴するかのような窓の外の世界。そう、心のどこかで忘れようとしていた「カメラの衰退」を、避けては通れない事実として受け入れざるを得ない、そんな気分の朝。

フィルムカメラについてはね、今に始まったことじゃなくてデジカメに置き換わってずいぶん経つわけだから、そりゃフィルムの使用量が減り、その結果フィルムの廃盤商品が出てきたり、フィルム価格が高騰するのも致し方ないと受け止めてきたわけだけど。

でも、重要なのはフィルムカメラよりも、現行のデジカメが窮地に陥っていることなんだとあらためて考えさせられた、ここ数週間であり、数日間であったように思う。

94年間続いた老舗雑誌アサビカメラの休刊(まあ廃刊だよね)が発表され、それに続いてまさかのオリンパスのカメラ事業からの離脱(まあカメラ事業の廃業)のニュース。忘れろというほうがむずかしいくらいのダブルパンチに見舞われたというのが、僕の正直な感想である。

状況は単純ではない。けれど、僕の単純な思考としては「デジカメをもっと使っていこう」と思った。デジカメをもっと楽しむ2020年にしようと、ここ一、二週間考えてたんだ。そして、あいかわらず影響力なんかこれっぽっちもないのだけど、このブログ「記憶カメラ」で、そのことをしぶとく語っていこうと考えた。

僕はカメラのノスタルジックな部分が好きだ。だからフィルムカメラが好きだし、デジカメもクラシカルな雰囲気を持つカメラとオールドレンズをこよなく愛している。けれど、そこだけじゃダメだなと。カメラの「過去」だけじゃなくて、カメラの「いま」と「未来」をもっと愛さないといけないと思った。

その決意というか、小さな決心の節目として、オリンパスの現行レンズ M.ZUIKO digital ED 12mm F2を購入した。新品で買った。正確にいうと過去に一度持っていたレンズの買い戻しだ。断捨離して手放していたものを、再びDigital PEN-Fのメインレンズとして使っていこうと考えた。

たった一人の人間が、たった一つのレンズを買ったところで世の中の何が変わるというわけではない。でも、僕にとっては購入にけっこう決心のいる値段のレンズで、それは僕の中では決して小さくない一つの決意なのである。カメラの「いま」と「未来」にももっと目を向けようとする決意。

カメラなんて現代の多くの人には無くても生きていけるアイテムである。そんなカメラが生き残るには、生き残れるための理由がいる。その理由をもう一度、当事者として考えてみようと思った。PEN-Fであり、X-E3であり、Dfであり、Z6でありとあらためて恋をしてみようと考える朝。恋とは時に闘いでもあるのだ。

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