この場合の「PEN-F」とは、フィルム時代のPEN Fであり、先般販売終了したミラーレスのPEN-Fであり、つまりどっちもだ。オリンパス社から映像事業を譲渡されて活動を開始していたOMデジタルソリューションズから、ついに最新のPENシリーズの発売が正式に発表されたのだ。
【新製品発売のお知らせ】
ミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS PEN E-P7」が6月25日(金)に発売されるペン!今回はデザインを徹底的に追求しただけでなく、PEN-Fで大好評だった「プロファイルコントロール」も搭載されているよ!
もちろん基本性能もばっちり♪詳細はこちらhttps://t.co/2AsUq5g9eD pic.twitter.com/kYfIM9igl3
— OM SYSTEM JP (@omsystem_jp) June 9, 2021
Twitterの動画を見てみると、あのクラシカルなPENの雰囲気と、これまたお洒落なカメラ女子さんのアノPENの雰囲気も持ち合わせていて、新会社OMデジタルソリューションズさんがしっかりとオリンパス時代のフィロソフィーみたいのものを継承してくれていることに、カメラファンとしてはうれしくなる。
あと、やはり「OLYMPUS」というブランド名がひとまず継承されていることも大きいよね。PENという機種のシリーズ名も感慨深いけど、かつての米谷さんが手がけたOM-1なんかも含めてオリンパスという響きに心打たれる人も多いし、フィルム時代を知らない人でもミラーレス一眼のオリンパスは必ずといっていいほど知ってるブランド名だからね。
で、本論の「新しいPEN E-P7」と、デザインモチーフや一部機能が継承されたという「ミラーレスPEN-F」を並べてみた。(OMデジタルソリューションズさん、PEN-Fユーザーの愛ゆえの写真引用を、どうぞお許しを!)
デザインはとても一貫してるというか、貼り革の部分が左右で段になっているのが、そもそものフィルム時代のPEN Fから継承されていて、それが一目で「あ、PENだ」と思わせるアイデンティティになっているのがよく分かる。クラシカルという意味では、今度のPEN E-P7のほうがよりかつての面影があるかもしれないね。
軍艦部もなかなかメカチックで、これまたクラシカルな雰囲気が好きな人にはグッとくる感じではないだろうか。フラッシュが内蔵されているのかな、左の部分はPEN-Fと違ってすっきりしている。そう、そここそが最も大きなPEN-Fとの違いで、PEN E-P7はファインダーを持たない背面モニターを見ながら撮影するスタイルのカメラなんだよね。
それは背面の写真を比較してみると一目瞭然で。でも、僕なんかは実はこの背面の姿を比較してみるまで、PEN E-P7がファインダーレスのカメラだとは認識していなかったんだよね。というのも、僕はミラーレスのPENシリーズは「PEN F」しか使ったことがないので、僕の中のミラーレスPENとは漠然とファインダーがあるイメージなんだけど、世の中的にはむしろPENシリーズは背面モニター撮影のほうが印象が強いのかもしれない。
細かい機能差やスペック的なことは公式HPか上のデジカメWatchさんの記事なんかを読んでもらうとして、いちおうフィルム時代のハーフサイズPEN SやOM-1、そしてミラーレスPEN-Fを好んで使っているオリンパスファンのひとりとして今回のPEN E-P7を拝見するに、そのクラシカルな佇まいは、フィルムカメラブームの若者世代の人たちにも、そしてかつてのフィルムPEN Fの面影を思い起こす人にも、なかなかハートをジンジンさせるものがあるんじゃないかと思う。
価格的にはRICOH GRIIIやFUJIFILM X-E4とかと同じくらいの価格帯になるのかな。それこそGRはファインダーがない分だけ、軽量コンパクトな良さがあったり、一方で手ぶれ補正は無いけどファインダーがあってレンズ交換が楽しめるX-E4など、このクラスのカメラはそれぞれ使い方や好みで機能性も分かれる。PEN E-P7もそういう意味でまさに選ぶ人の「思い入れ」次第だろうね。個人的には、このカメラを持ってる人を街で見かけたら、シンプルに「お、カッコいいチョイスだな」って思うけどね。