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仮説といっても、それはどこかの文献にあったものとかではなくて、僕が思う仮説ってことなんだけどね。以前もブログに書いたことがあるけど、僕はカメラを始めてしばらくの間、縦構図で撮ることがほんと苦手だった。最初は一眼レフで撮ってたんだけど、縦構図で撮ろうとするとカメラを寝かせるわけだけど、それがとてもアンバランスに感じてくにゃくにゃになってた。
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それを克服できたのは、RICOH GRを使い始めてからなんだけどね。ある日、街中で両サイドをビルに囲まれた横道で、その間に沈む夕陽を外国人の観光客みたいな人がカメラで写真を撮っていた。その時にカメラを寝かせて縦構図で撮ってたんだよね。それを見て、僕もその後に同じ場所に立ってカメラを構えてみた。すると、どう考えても縦構図がそのシチュエーションにはいいのである。なるほどと。
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なんというのかな、その街角の外国人さんの真似をすることでコツを掴んだというか、それ以来、苦手意識が無くなって、逆に縦構図でじゃんじゃん撮るようになった。一時期はGRで撮る街中スナップはほぼほぼ縦構図だったんじゃないだろうか。そうすると、慣れというのはやはり凄くて、次第に横構図と縦構図は半々か、縦構図のほうがちょっと多いくらいの画角構成になっていったんだ。
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撮るほうは仮に縦構図が気持ちよくなっていったとしても、じゃあ写真を見るほうの感覚として縦構図はどうなんだ?という話だけど、これもね、じぶんの中ではちょっとした確信みたいなものがあって、僕が好きな写真家のひとがとても縦構図使いだったりする。海外でいえばおなじみソール・ライター。彼はインタビューでじぶんのことを「ミスター・ヴァーチカル」と笑ってたけど、ほんと縦構図しか撮らないらしい。言われてみればそうだなと。
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もう一人の写真家は林ナツミさん。彼女もインスタグラムの日常スナップはほぼどれも縦構図。なぜ、こうも林ナツミさんの写真に惹かれるんだろうと考えてたら、あ、そうか、縦構図の写真ということも大きいなと思って。最近でこそスマホカメラで撮ることが世の中で一般的になったから縦構図の写真は珍しくないけど、それだって違和感なく受け入れられたのは、人間にとってそもそも縦構図って気持ちいいんじゃないかってね。
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あまりにも壮大なテーマなんで、この話に結論は無いんだけど、そうそう、ここにあげた縦構図の写真たちは、すべて今日撮ったもの。過去写真の中から縦のものだけを集めたものではない。僕が縦構図を意識して、「きょうは縦構図しばりで撮ろう」と過ごしてみたもの。いや、もっと自然に縦構図で撮ってたかな。だって理屈じゃないんだ。縦で撮るほうが気持ち良くてスムーズだからなんだ。でも、実際のところどうなのかは気になるから、ちょっと文献とか調べてみようかな。