僕のNikon Dfは通常だと単焦点のオールドニッコールが定番だけど、たまにズームレンズが装着される。そう、国産初の標準ズームレンズであるZoom-Nikkor Auto 43-86mm F3.5である。
どうだろう、なんともシビれるフォルムではないだろうか。Dfに装着して最も良く似合うズームレンズは、僕は間違いなくこのヨンサンハチロクだと思っている。(ヨンサンパーロクと呼ぶ人もいるけど、僕はヨンサンハチロクと呼んでる)
特徴的なのはなんといってもその中途半端な?焦点距離の刻みと、二倍という極めて低いズーム倍率だろう。カメラを始めた頃、なんとなくみんながこのレンズを愛らしく呼んでいたこともあって、ビギナーだった僕もすぐに覚えた個性派レンズである。
でも、今の時代だからこそヨンサンハチロクのことを個性派だと感じるけど、当時はどんな風にみんなの心に刻まれたレンズだったんだろうね。
よく聞くのは、そのネーミングからたしかに個性は強かったけど、写りは標準ズームらしく極々平凡なもの?みたいなニュアンスかな。
でも、明るい単焦点レンズのようにボケでごまかせない分だけ、このヨンサンハチロクで撮ることは奥深さがあると思っていて、いまだに「永遠の試し撮り」を続けているようなところがある。
幸いデジカメのDfでなら、何枚撮ってもフィルムのようにコストはかからないから、それこそいろんな実験的な試し撮りがやり放題なのである。
Aiタイプのものでも、数千円で見つけられるヨンサンハチロクは、まさに手頃なオールドレンズの極みでもあり、市場にもたくさん出回っているから程度の良いものも探しやすいと思う。
そういえば、僕のヨンサンハチロクはヒゲの線の数が少ないタイプらしく、Twitterなんかにレンズの写真を載せると、大抵その人たちのヨンサンハチロクはヒゲの数がもっと多い!という声が寄せられたりする。
オールドレンズは昔のカメラ同様、段階を追って細かな改良が加えられたりしてるから、こうして微妙な差異を見つけるのもまたおもしろい。
しばらく、Dfにはこのヨンサンハチロクをつけっぱなしにして「永遠の試し撮り」を謳歌しようと思ってる。ズームコンパクト熱がDfのほうにも飛び火した格好だ笑。
でも、こうやってデジカメでもオールドレンズを楽しむことができれば、その間にフィルム予算も少し捻出することができる。
というか、考えてみると僕はヨンサンハチロクをフィルムで撮ったことがあまりないな。本家本元のNikon Fに装着して一度試してみないといけない。
またひとつ、楽しみができた。