先日発表されたFUJIFILM X-T5が「写真機回帰」と謳われていたことで、ふと再びその存在に目がいったのが、同じく写真機としてのコンセプトで人気を博していた軽量コンパクトのレンズ交換式カメラ X-E4である。
X-T4からX-T5へのモデルチェンジは、それなりに時間も経過していたことから納得できるところだけど、X-E4については登場から一年半という短い期間でディスコンになったこともあり、その人気に対して新品のみならず中古品もなかなか在庫がなく、その手に入らない感じがちょっと伝説のカメラ的な希少性を醸し出している気さえする。
前機種のX-E3から思い切ってグリップを排するなど、かつてのフィルムカメラ=写真機らしさに振り切ったX-E4は、そのサイズや値頃感からしっかりと好評を博していただけに、入試困難になってあらためてその価値が評価されているのではないだろうか。
実際、コンデジのX100VよりコンパクトなサイズのX-E4は、手軽なスナップカメラとしてのポテンシャルはすべてのメーカーのカメラの中でもなかなか代わりの効かない存在で、販売終了の知らせを聞いて駆け込みで予約注文した人もけっこう見受けられる。
昨今のフィルムカメラブームの時代背景から見ても、デジタル写真機と言ってもいいその「らしさ」の作り込みは、初めてのカメラとしても、写真好きな人のサブ機としても、絶妙のポジショニングのカメラだった証だろう。
こうなると、後継機となるであろうX-E5の登場を待つ人も多いと思うが、これもまた後継機が出る保証はなく、それもまたX-E4の欠乏感、失望感みたいなものを助長しているのかもしれない。
そういう僕も、いまだにX-E4は思い入れのある一台で、その持ち出しやすいサイズをいいことに、最もオールドレンズを始めとする各種レンズを楽しむ最適なカメラになっている。
その希少性ゆえ、中古カメラでも少しプレミアがついた値段のものもあったりで、どうしても手に入れたいという人がまだまだ多くいるという風に見えるし、運良く手に入れられた人たちの声を聞いても、あいかわらずの人気っぷりがうかがえる。
どんなシチュエーションやニーズに対しても、X-E4ひとつあれば事足りると思わせるベストバランスさがこのカメラの魅力。果たしてその後継機は近いうちに出てくるのか。それともコンパクトな写真機らしさは小さくなったX-T5に今後託されていくのか。
その未来はなかなか判断しづらいけど、もし運良く店頭で見かけることができたら、とにかく一度触ってみて、その人気を裏付ける「らしさ」をまずは感じとってみてほしい。その使い良さとサイズ感に感動し、むしろメインカメラとして手放せなくなる人もいると思うけど。
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