FUJIFILM X-E4

X-E4は、グリップのない感触こそが強烈にフィルムカメラを思い出させる。

FUJIFILM X-E4, XF 35/1.4R

2月末に発売されたX-E4が、なにやら密かに凄いことになっているようで。というのも、いま注文しても手元に届くのに3ヶ月待ちとかそんな状況らしいのだ。Twitterなんかを見ていても複数の人たちがそうつぶやりしてるから、これは割と真実とみていいだろう。

さすがに、こういう物欲に対して3ヶ月(一年の4分の1、ワンシーズンじゃん)も待ちとなると、さすがにもう待てないというか「手に入れたい熱」も冷めてしまうところもあって、予約している人ならキャンセルできるかな?とか、もう他のカメラに鞍替えしようとかって声が出てもそりゃおかしくない。これは富士フイルムにとっても予想外の出荷ペースになってるということなのだろうか。

FUJIFILM X-E4, XF 35/1.4R

でも、思い起こせばこのX-Eシリーズの最新機種は、半年とか一年前には「もう登場しないだろう」とファンたちの間では囁かれていたんだよね。前機種にあたるX-E3が最後の機種で、それでX-Eシリーズは終焉するだろうと。それは、X-Eシリーズは富士フイルムのXシリーズ全体のラインナップの隙間を埋めるいい機種ではあったけど、地味というか(僕もそう思ってたし、その地味さが良くてX-E3を使っていた)、それほど爆発的に売れるポジションのカメラではなかった。

FUJIFILM X-E4, XF 35/1.4R

それが、突如として後継機のX-E4が出るらしい!と騒々しくなり、登場した途端、思いもよらず人気すぎてこの品薄状態というわけである。ほんと、モノが売れるメカニズムというのは分からないものである。まあ、これは富士フイルムのマーケティング力を素直に認めざるを得ないというところだろうか。素晴らしい笑。

FUJIFILM X-E4, XF 35/1.4R

しかし、実際のところ、何がそんなに市場から評価されというか「ウケた」のだろうか。カメラのポジショニングとしてはX-E3と劇的に変化したわけではなく、あいかわらず富士フイルムのXシリーズの隙間を埋めるようなカメラで、それほど際立つ存在感のポジションではない。価格面からすればエントリー機としてみれるような価格帯のカメラだしね。でも、X-E4はビギナーというより「ある、濃い人たち」を目覚めさせたという点が大きいんじゃないだろうか。

FUJIFILM X-E4, XF 35/1.4R

それは「フィルムカメラ的な撮影フィールに恋焦がれた人たち」である。数年前からにわかにフィルムカメラブームといわれ、若い人たちがフィルムで写真を撮ることがよくテレビやネット記事なんかでも語られてきたけど、一方でフィルム価格の高騰もこの数年で凄まじくて、フィルムで撮りたいという熱が高まりつつも、高いフィルムでこれ以上バンバンとは撮れない!…そんな風に思う人たちも生み出していたんじゃないかと。はい、そうです、僕がそうです笑。そんな、ある意味、濃いカメクラな人たちがこぞってX-E4に流れ込んでいるんじゃないかと僕は見ている笑。

FUJIFILM X-E4, XF 35/1.4R

このX-E4のカメラの特徴はいろいろあるけど、僕がいちばん気持ちを持っていかれているのは「グリップのない、あのフィルムカメラを構えた時の指先の感触」だと思ってる。いや、もちろんフィルムシミュレーション「クラシックネガ」でいわゆるネガフィルム調に写真が撮れることは大きいけど、なんというか体と脳にビビビッとくるのは実はこのフィジカルな特徴なんだよね。右手の小指のあたり方はまさにフィルムカメラのアレなんで。体が覚えてるんだよね、あのフィルムカメラの感触を。

FUJIFILM X-E4, XF 35/1.4R

この点は実はかなり議論の余地があると思っていて、グリップが無くなったことで持ちづらくなったからX-E4は見送りだな!という人もこれまた少なくないのである。その一方で、グリップなんかそもそもフィルムカメラには無かったんだし、ましてや手振れ補正なんかフィルムカメラ的にいえば必要ないじゃん!という、現代のあまのじゃくみたいな僕らみたいな人もまた少なくなかったのである(たぶん)。

FUJIFILM X-E4, XF 35/1.4R

そういう人たちにとっては、この往年のライカCLとかミノルタCLEのようなコンパクトなフラットボディで、あの頃のようにレンズ交換して楽しめる「あの感触」のカメラが出てきたら、値段はM型デジタルライカの1/10なわけだから、それは大人の散財的財力を行使して手に入れたくなるというわけである。いや、恐れ入ります、富士フイルムのニッチマーケティング力(笑)。

いや、これらはぜんぶ僕の妄想であり空想だから、ほんとかどうかは知らないよ。でも、たぶんこんな現象が水面下で起きてるんじゃないかと思ってるんだ。「グリップがなくても、フィルムカメラのように構え方で自由に指が置けることを優先した」というのは上野隆さんをはじめとする富士フイルム開発陣の皆さんのコメントだけど、それはもうドンピシャ、それ的な人たちに刺さってる。何かを得ようとすれば、何かは捨てることにもなる。そういうセンスがいま富士フイルムは突き抜けてるなと思うのは僕だけだろうか。とにもかくにも、いま首を長くしてX-E4の到着を待っている人たちの元に一日も早く届くことを願っている。

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