FUJIFILM X-E4

また、FUJIFILMのカメラづくりは素晴らしいレベルだな、とも思うわけである。

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FUJIFILM X-E4, XF35/1.4R

ここ一週間くらいかな、手に入れたばかりのレトロスタイルミラーレスNikon Z fcを集中して使ってみて、ようやく癖みたいなものも掴めつつあって、ひと段落したなって感じの日曜日の朝である。

そうやって思うのは、あらためてFUJIFILMのカメラづくりのレベルは素晴らしいぞ、ということである。Nikon Z fcが素晴らしくなかったという意味ではない。けれど、各部の作り込みの質の高さとか、クラシックネガという描写へのこだわりとか、つまるところ、FUJIFILMのカメラのよさもまた再認識する機会になったのである。

Z fcのことはここ数日間ブログに書いているので、そっちを見ていただくとして、FUJIFILMの何がそんなに良いのかということだけど、やはり思うのは「趣味カメラとしてのレベルのバランス」が素晴らしいということ。

カメラってさ、デジタル一眼レフの時代なんかはそれこそキヤノンやニコンがマーケットを牽引していたんだけど、そのベンチマークになったのがフラッグシップ機からのブレイクダウンだと思うんだよね。プロ機であるフラッグシップを規定してから、だんだんとハイアマチュア向け、ミドル向け、ライト層ビギナー向けと品質をグレードダウンさせてきた。

あくまでも僕の個人的な印象だけど、そのやり方ってミドル機くらいまでは品質をある程度キープしてるんだけど、ライト層ビギナー機あたりになると途端に質が落ちていたというか、なにかまったく別物のカメラを持たされているような気がしていた。そりゃ明らかにコストの問題だろうけど、そこにはどこか「プロ機と趣味機を区別していた」みたいな感覚があるんだ。

そんな、どこか趣味機はこんなでいいんじゃないか?という感覚をけっこう本気でひっくり返してくれたのが、FUJIFILMのカメラやレンズたちじゃないかなって思うんだよね。言葉を選ばずに言うと、FUJIFILMは趣味のカメラを舐めていない、ということになるのかな。それは、FUJIFILMのカメラたちが他社メーカーのようにプロ向けのガチガチのフラッグシップ機の世界で勝負しているメーカーじゃない、という独自の立ち位置も大きいと思う。つまり、趣味機で生き残ることこそがFUJIFILMの生命線であると。

いまではラージフォーマットのデジタル中判機まで出しているFUJIFILMだから、ここでいう趣味機というのは主にXシリーズのことだけど、JPEG派の人に向けたフィルムシミュレーションにあそこまでこだわることも、RAW現像が前提のプロやハイアマチュアの人たちに対して、気軽な日常の趣味カメラ派の人たちのことにかなり重きを置いていることが見て取れる。まあ、僕なんかは典型的なその趣味カメラ派だと思うんだよね笑。

現代のAFレンズで撮ることを考えたら、たしかにミニマルな世界であることも考えれば絞りリングは必要ないけど、FUJIFILMのメインのレンズたちにはいまだにしっかり絞りリングがついている。センサーサイズがAPS-Cからブレないのも、FUJIFILMという会社が「フィルム(カメラ)で撮るアノ感覚をリスペクトしている」ことが、圧倒的に読み取れ、使い手にFUJIFILMのメッセージとして伝わってくる。僕なんかは、そこにグッとくるわけです。

写真のX-E4とXF35/1.4Rの組合せなんかは、見た目以上に恐ろしく軽い。それでいて、適度な塊感というかカメラとしての密度がある。こういうバランスは実はなかなかのマニアックなつくりだとあらためて感心する。これが10年間、このスタイルのカメラづくりにこだわり続けてきたFUJIFILMの一日の長でもある。いま、世の中はちょっとしたクラシックスタイルのカメラのブーム。各社が見た目のデザイン以上に、このカメラ全体の高次元なバランスの域まで打って出るかどうかは、また楽しみなところである。そう、趣味カメラの復権という意味でね。

カメラはこれ一台でいいんじゃないかと思わせる、FUJIFILM X-E4という存在。〈レビューみたいなもの〉 実のことを言うと、以前同じように「カメラはこれ一台でいいんじゃないか」というタイトルでFUJIFILM X100Vのことを書いた...

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