Nikin Z fcが話題である。近年、これほどまでに登場時に市場を賑わしたカメラはなかなか無かったんじゃないだろうか。注目が大きいほど期待も必要以上に背負っちゃって、やれフルサイズがよかったとか、やれ大きすぎるとか、やれ軽すぎるとか、いろいろ言われるわけだけど、カメラは万能より用途が尖ってるほうが楽しい道具。そう、このZ fcはそのデザインの秀逸さだけで、もう十分なのである。
このデザインだから手元に置いて眺めたくなるし、このデザインだから首や肩から下げて外へ持ち出したくなる。それで、このカメラの登場は大成功なのである。
そりゃデザインの好みは主観だから、このデザインがすべての人を幸福にするかどうかは分からない。けれど、このデザインに惹かれるという人であれば、このカメラの価値は値段の何十倍にも膨れ上がるし、シャッターを切る回数もきっと格段に増えることだろう。もちろん、どのカメラメーカーもデザインには注力している。けれど、これほどまでに説得力のあるデザインを施せるのは、歴史を彩ってきたNikonだけであろう。
何かを足せば、何かが中庸になる。僕は、Z fcはデザインまっしぐらでよかったんじゃないかと思う。必要以上に濃いカメラファンに注目され過ぎて、あれこれ要望が膨らんでニコンさんも驚いているんじゃないかと思うけど、そうしたいろんな声は期待の表れだと思ってもらって、このZ fcのデザインファーストを皮切りに、また次の幸福なモデルを考えていってほしい。八方美人的なやつじゃなくて、あくまでとんがった幸福感のあるやつを。
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